カツ、カツ、カツ。
お久しぶりです!
坊主頭に赤いカラーレンズの入った大きめのラウンドフレームのメガネ。
小柄ではあるがしっかりと盛り上がった両肩からは引き締まった腕が伸びる。
足は長いとは言えないが(むしろ超短い)ガッシリとした逞しい両足でしっかりと地面を掴み堂々と起立している。
2026年2月
久しぶりの再会だった。。。
帰ってきました!!!
僕がお店を初めたのは2012年頃で、当初は本当にお客様も少なく、"常連様" そんな喉から手のでる程掴みたかった存在は皆無。もはやそんな存在、都市伝説なのではないだろうか?そんなマインドで日々をやり過ごしていたあの頃。
そんな時、彼は突然現れ、そして突然に "常連様" そう呼ぶに相応しい初の存在になったのだ。
ボサボサに伸びきったヘアスタイルにぽっちゃりとしただらしのない身体。
オーバーサイズと呼ぶには優しすぎるぶっかぶっかのチェックシャツ。一切の色落ちの兆しがない濃紺のジーンズに"子どもちゃれんぢ"とプリントされた謎のスニーカー。
"コーヒーうまかったっすぅ。。
またきまっすぅぅ。"
独特のファッションに身を包み、独特の伸びのある特有の訛りを操りながら彼は毎日通うようになった。
当時僕は、なぜ彼が毎日ここに来るのか?
仕事は一体何をしているのか?仕事をしていないにせよ毎日ここに通うだけの所得はどうやって獲得しているのか? 当然、彼に対しそんな疑問を多少は抱いていた。
だが、そんな事を考えるよりもなによりも、毎日来てくれる"常連様"を見つけたのだ!"常連様"その存在は決して都市伝説なんかではなかったのだ!!
その嬉しさがどの感情よりも勝り、彼が一体何者なのか?
そんな事はどうだってよかったのだ。
"毎日来てくれるのであれば何者であってもいい"
そのくらいおざなりにとらえていたのかもしれない。
そんなある日、突然、彼は来なくなった。。。
パッタリと、
次の日も、次の週も、次の月も、次の年も……
こうして、今にして思えば彼は一体何者だったのだろうか。そんな疑問だけが残り約10年の月日が流れた。。
そして2026年2月、彼が目の前に現れたのである。
冒頭にも書いたが彼は坊主頭になっており肉体も筋骨隆々と言った様に見事な変貌を遂げている。
ファッションも"子どもちゃれんぢ"と書かれたあのスニーカーは既に足元から去り、あのホスト業界を席巻しもはや実業家に上り詰めた男、Rolandさんが好んで履きそうなめちゃくちゃに高い(恐らく9cmくらいある)ヒールのついた黒いブーツをオン。
そして、目元にはYOUR SONGで大ブレイクしたシンガーソングライター"エルトン・ジョン"が愛用していたモノにそっくりな赤いカラーレンズの入った大きめのラウンドフレームのメガネ。
相変わらずファッションの一貫性はなく、意味不明のバランスではあるがどう考えても10年前より"ミステリアス"にはなっている。
そして、一番驚いたのは彼の右手に持たれた"ソレ"であった。
彼が歩く度にカツ!カツ!カツ!と大きな音をたてるソレはなんと"杖"である。
しかも持ち手には"この世の全ての災いは私の仕業である"とでも言わんばかりに悪どい表情を浮かべたドクロがデカデカと取り付けてあり彼はそのドクロの頭頂部を掴む形でカツ!カツ!カツ!と杖を操っているのだ。
10年前も謎ではあった彼。
今現在、もっと謎である。
そして彼はコーヒーを飲み。
うまかったっすぅ。
またきまっすぅぅ。。。
昔と変わらぬ独特の訛りを操り去っていった。
一体彼は何者なのだろうか。。。
次回、彼にまた再会できた時には、必ず質問してみようと思う。
"仕事なにしてるの?てかどこから帰ってきたの?"
って。
さてさて、2月も後半に差し掛かりました。長い長い冬が終わり、もうすぐ春がやってきます。
残り僅か、コーヒーでも飲みながら、ゆるっと冬を乗り越えましょう。
では、さよーなら