GWと呼ばれる霞の様な道楽の日々が終わり、<現実>の日々が目の前に再来されている皆様、いかがお過ごしでしょうか。
私にはGW、その様なものはございません。
が、店休日のある日、どうしても行ってみたかった。そんなとある場所へと出掛けてきました。
私、幼い頃からなぜだか荒廃している“モノ”や“場所”に強い引力を感じ生きてきたのですが今回もその引力にまかせ、ある“荒廃地”にお邪魔してきた次第でございます。
さて、仙台から車で片道約3時間をかけ、その場所近辺へと辿り着いた私。
だがその場所、なかなかの酷路をクリアしていかなければその全貌をおがめないと言ったハードなスポット。
思い立ったがままに来てしまった私の服装は
“シャツにハーフパンツにツッカケサンダル” とてもじゃないがなかなかの山道と険しい川渡りには不適切である。 ちなみにその場所
“川渡り必須である”
だがここまで来てしまった以上引き返すわけには行かない。
道なき道を藪から棒にズンズンと進む。
途中、ベアクロー等の自然の猛威を見かけながら強行的に抜け出た険しい山道の先に、遂に川を発見。
その先には美しくも荒廃した建物が微かに見える。
この川を越えれば、遂にあそこへ辿り着ける。
だが、目の前には濁流に近い川が……
どうする、俺。
選択肢は1つ。
“行くしかないのだ”
キリッと引き締めた表情を作り、川の中へ第一歩目を踏み出す
ザブン…
うわわわぁぁぁああぃいぃeE!!!!!!!!
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その後私は、バッグに入れていたサングラス、財布、電気料金の支払い用紙<なぜ持っていたかは不明> お気に入りのサンダル片方を失いながらその場所へと辿り着いた。。。
失ったものは多すぎたが視覚的、感覚的に得るものがそれ以上だったから、私は満足げにその場所をあとにした。
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その後、上機嫌になった私は、そこから少し離れた場所にレトロな喫茶店があることを知りそこで一人きりの打ち上げを行おうとお邪魔することにした。
数十年の経年に耐え抜いた堅牢でいてアジのあるベージュカラーの外壁、内装にはもはや古の産物である“ゲームテーブル”。
100点である。
店内には2組<2人>の常連様がカウンター席に着席し、マダムとなにやら親しげに会話を楽しんでいる。
店主と思しき優しいマダムが
“あら、どこでも好きなところへ座って”
そんな声をかけてくれる。
なんとなくのところへ着席し、少し小腹の空いていた私は
“ラザニアとアイスコーヒー” の注文を済ませる。
“わたし1人でやってんのよ。少しだけ時間がかかるけれどいい?”
そう私に問うマダム
楽しい冒険の余韻の中にいる私は、上機嫌で
“勿論ですよ。ゆっくりで構いません”
そう笑顔で答えた後、ゆっくりと店内にあった書物をお供にくつろぎ始めた
マダムは静かに、そして優しく微笑むと踵を返し再び常連客との会話に戻っていった。
……
しばらくするとマダムがこちらへ
“ここのところ天気がおかしいのよね。あなたもそう思わない? あら、お水が空ね、どうぞ”
抽象的な質問を私に投げかけ、ついでにお水のお代わりを注いでくれる。
冒険の後の私は、とても喉が乾いており、入店後のサービスのお水をすぐに飲み干してしまっていたから.
“そうですね 暑くなったり、寒くなったり、スコールが降ったり、なんだか不思議な感じがしますね”
そう答えるとマダムは満足気に微笑み、再度踵を返し常連客との会話に戻っていった。。。
1時間後…
私のテーブルにはお水以外、未だどのような食物、飲み物も到着していない。
むぅ? まぁ、わたし自身がゆっくりでいいですよと言ったしなぁ……。
と、思っているとマダムがこちらへ歩みを進める。
フフフ。ついにアイスコーヒーか?はたまたラザニアかな?
そんな事を思い浮かべ俯きながら書物に目を通すフリヲ継続、マダムが目の前に到着するのを待つ。
コツ、コツ、ピタ。
マダムの、到着だ。
“あんた、なんだか顔色が悪いわねぇ。大丈夫?働きすぎたりしていない?実は軽く冷房をつけているのだけど、寒すぎたかしら? あら、お水がないじゃない。待ってて。今お水を持ってくるから”
そう言って再びお水のお代わりを注いでくれるマダム。
注ぎながらマダムは
“みんなに言える事だけれど、働きすぎはだめよ?”
<いや違うじゃん…なに働きすぎはだめよ?って。飯だよ飯ぃぃ…おせぇぇええ……。水だってアイスコーヒー来ないから飲んじゃってるだけだってばぁ...もういいって水わぁ。。。>
そんな事を思考しながら乾いた返答をする私。
“あぁ、はい。ありがとうございます。”
またも踵を返し常連客との会話に戻っていったマダムは引き続きなんとも楽しそうに熊が出没したとか、近所の爺さんがキノコくれたとかそんな仕様もない話を続ける。
それから更に30分程した頃、マダムから信じられない言葉が私の耳へと通達された。
コツ、コツ、ピタ。
マダムだ
“ねぇあんた。ごめんなさい。これから山菜を取りに行こうと思うんだけど、あんたも行かない?車はそこの○○さんが出すからどう?”
と、ずーっとキノコの話をしていたおじ様を指差し私に妙な提案を持ちかける。。
なぜだかわからないがそのおじ様はこちらに向かって親指を立てGoodポージングをしていた。
私は意を決して尋ねた。
“あの、ラザニアとアイスコーヒーは?”
マダムは照れている様にも見え、それでいて余裕綽々こちらを嘲笑している様にも見えるなんとも総称仕様の無い表情を浮かべゆっくりとカウンターへと戻っていった。
その後15分後にマダムはやってきた。
コツ コツ ピタ。
そして空になった僕のグラスに水を注ぎ、
“あんた、働きすぎは絶対だめよ?”
そう言って踵を返し、またカウンターへと戻っていった。
なんなんだよここぉ……。。。
……その後僕は、ラザニアとアイスコーヒーを合わせた代金をテーブルに置き静かに店を後にした……。
店外に出ると、良く晴れた青空が永遠に広がり、5月にしては明らかに暑すぎる気候が私の身体に優しく纏い始めた。
腹減ったなぁ
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こうして僕のGWは幕を閉じた。
なんとなく、とても不思議で奇妙な場所へと誘われたある春の日。
春が見せた白昼夢だったのだろうか。
また来年、答え合わせをしようと…つまり、再訪してみようと思います。
ではでは皆様、引き続き楽しい春をお過ごしください。
グッドバイ。