9月。
ずーーーーーっと。 降ってない?
雨。。。
そして、あまりにも来訪されすぎでは? 台風。
なぜだろうか 小さな頃、
大雨、大雪、雷、台風、地震。others……。
ありとあらゆる悪天候。所謂 “天災” なるモノが来ると少しだけワクワクしてしまう。
そんな軽度な心の病を抱えておりました。
特に “台風” コレについては様々な天災の中でも勃発率が高く、天災の中では割と高頻度でお迎え出来る“非レア”災害である為に、当時の僕にとって、その心の病を加速させるには格好の存在であった。
むかしむかし、僕にはBと言う友人がいた。
そんな彼も天災に対しワクワクしてしまうといった軽度な病を抱えていた同士でもあり、前日の夜、もしくは早朝のニュース等で雷、台風等の予報を見ると早朝に顔を合わせるやいなや我々はその話題でエキサイトするといった仕様もない少年時代を過ごしていた。
僕 “もしも台風が来たら俺たちだけは台風に立ち向かおうねー!”
B “オフコース!誰が逃げたって俺たちは絶対に逃げないよな!”
僕 “もしも雷が落ちてもだよねー!?”
B “あぁオフコースさ! 絶対に!だよな!”
※上記の通り、当時彼は“勿論”の部分をなぜか“オフコース”と発語していた。まぁ多分かっこいいと思っていた(超カッコ悪い)
そんなある日、我々の住む宮城県仙台市にも遂に台風が直撃するらしい、そんな悲報(当時の我々には朗報)が舞い込んだ。
世間ではやれよやれよと緊急の速報ニュースが飛び交い “外に出るのは危険なので外出はお控えください”等とキャスターは叫ぶ。
だが当日、学校は休校する事なく通常登校であった(今、現在の世相を考えるとあり得ない事の様に感じますね)
教師を筆頭に、学校内の全ての大人達が風、そして雨のテンションが上がるに連れ彼らのテンションは往々にして下降していく。それに反比例するかの如く我々のテンションは風、雨と共に激しく高揚、上昇していく。
まずい!まずいぞぉう!遂に来た!どうするどうするー!!下校出来ないー!!ホラホラー! 雨とか風!!つよっすぎぃー!!!
等と仕様もない会話で終始盛り上がり続け気がつけば下校時刻。
“本日はやはり、台風の影響が強すぎる為、保護者のお迎えが来るまで学校内で待機すること。”
担任の先生の指示のもと、我々子供達は“漂流教室よろしく”と言った具合に校内で待機することになった。
勿論、この“待機”の2文字は我々にとっては“祭り”の2文字と同義語であり。これから起こるであろう子供達の“トランスレイブ”を意味していた。
その後、我々のお祭り騒ぎはしばらく止むことなく、教室内はまるで台風へ向けた太古の儀式の様にトランス状態の子供達が終始駆け回り、不気味なカルトクラスの図へと変貌しその様子を継続し続けた。
やがて、遂に我々のテンションもピークを越え、少しずつ異様なテンションもようやく安定してきた頃、
もはや今回のこの“祭り”のオーガナイザー的な動きをしていたB (教卓にたち、皆に何かを問い、皆からの返答に対しお得意の “オフコース!” で返すと言ったもう本当にわけのわからない儀式を主に行っていましたきもちわり) が僕に言った。
“なぁ、俺、行かなきゃ。台風はまだ止みそうにねぇ、だけどさ、絶対に行かなきゃならねぇんだわ。待ってんだわ 妹が。俺は運がわりぃ。今日に限って両親は不在だ。外資だから丁度アメリカの方かどこかにいってやがる ちくしょう。だから、行かなきゃ。”
えぇ?なんか……かっけぇえ……。
だが、僕は知っていた
彼の両親は八百屋である。
そして、
彼に妹はいない。
だが、台風に対し行ったトランスレイブのオーガナイザーを務め上げた事による副作用によって自分の背景設定をも変更してしまった彼の(ただのアホ) “興” を冷めさせるわけには行かないと、子供ながらに空気を読んだ僕は
“絶対に、死ぬなよ?”
彼の肩にそっと手を置き、そう彼に告げた。
彼は僕に
“あぁ、オフコースぅあ!行ってくるわ!”
そう告げ、教師達の静止も振り切り勢いよく教室を飛び出していった。
気のせいかな、彼の目が少し濡れていた気がしたのは
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その後しばらくすると、雨や風は嘘のように収まり、未だ迎えの来ていない子供達にも下校の自由が言い渡された。
結局一人で家路へと向かっている帰り道、ふとBが気になり彼の家の前を通った。
彼の家の窓はカーテンがはだけ、室内がわかりやすく露出していた。
僕の両目は一家団欒の中、すき焼き鍋(もしくはそれに類似するモノ)をホクホクとつつくBの姿をとらえた。
よかった。
わかってたけど、彼は助かったのだ。
よかった。
わかってたけど、彼は生還者なのだ。
今からおそらく、30年程前の出来事だ。
あの日から僕は、あの妙な心の病を手放す事になった気がしている……。
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さて、早いもので間もなく10月。
緩く秋の夜長を。楽しみましょう。
ではさよーなら。