宿題やったの!?
"あーもう今やろうと思っていたのにその一言でやる気なくしたわ。もう無理。やらないわー。やろうと思ってたのに"
こんなやり取りが小さな頃度々ありました。
宿題をやったかどうかの確認をせまる親に対し、タチの悪い理不尽な言葉で切り返す僕。
だが最もタチの悪い事、それは僕のこの理不尽な切り返しではなく、この僕の切り返した言葉が"真実である"と言う事実である。
…………………………………
人間と言うのは時として不思議な衝動に駆られるもので、普段絶対に実行しないであろう行動を、時、稀にしてしまう
突然の部屋の掃除。
忘れたフリをしていた得意じゃない人への連絡。
いつか行こうと思っていた近所に出来た飲食店への訪問。
そして冒頭にも書きましたが、 まあなんとかなるだろう。とギリギリまで放置した宿題。
等々...
例を挙げればきりがないほどに、我々は実に様々な"普段面倒でやらないこと" に日々囲まれて生きている。
そして驚く事に、上記に記した通りこの"普段面倒でやらないこと"を突然に自発的にやろう!と言う衝動が1年のうち数回訪れたりする。
だが、そんな時は決まって"誰かの一言"により意気消沈させられてしまったりするのだ。
不思議だ。これもいわば宇宙の摂理とでも言うのであろうか。
遡る事今から約14年前。
僕はある決断をしようとしていた。
東日本大震災の影響で僕は"無職"になっていた。
このままではいかん。そんな日々を悶々と過ごしている中、僕はある事に夢中になる。
それは"フリカケ"を作る事だった。
なぜか?理由は今でもわからない。なぜか当時の僕は、それをする必要があったのだ。
しかも様々な種類のフリカケを作るのではなくド定番の"カツオブシ"これ一択のフリカケを呪われた様に作り続けていたのである。
そんな不気味なルーティンに苛まれ続けていたある日。ふとこう思った。
これ、いける。
"フリカケ屋" やろう
僕のフリカケに対する向き合いかたは常人の域を越え、寝ても覚めても"カツオブシ"の事が頭から離れなくなっていた。その原因不明の呪いのおかげで、やがて僕の作るフリカケは自画自賛だがとてつもなく美味しくなっていた。いや本当に、ご飯にかけて食す度に脳が揺れる程だ。
そしてある時、このフリカケを誰かに食べてもらおう。そう思い立ち近所に住んでいた同級生のMにその旨を告げると二つ返事で "今から食いにいくわ"
そんな返答をもらい彼を待つ。
Mは友人の中でもトップクラスに頭が悪く(僕も含めまあみんなバカばかりなのだが) 所謂一般的な試験(5教科)で言えばTotal100点以上を取った事がなかったり、カップヤキソバの湯切りを最近まで知らず、湯切らずに薄いソース味のラーメンとして食していたり、視力2.0だったにも関わらず、なぜかメガネに憧れ父親のメガネ(ちゃんと度入り)を勝手に拝借し、かけ続けたところしっかりと視力が悪くなり最近レーシック手術を受けたりと、まあとにかく、奇行が絶えないバカな男なのだ。
(そもそも成人男性がフリカケ食いに来ないか?の問いに対し二つ返事で"今から行く"この返答自体がバカまるだしではないだろうか)
そんな彼が僕のフリカケを食べて開口一番こう言った。
"うめえ。店やれよ!こーた!"
言われてしまった。
そう。 僕が言う前に、言われてしまったのだ。
しかも、この男、Mに。
僕の心の中で僕が僕へ
"あーあもういいわ。せっかくやろうと思ってたのに。やる気なくしたわ"
そう告げた。
幼い頃からの恐ろしい病。
仮名として命名 "先天性天の邪鬼症候群"
ようやく重い腰を上げ、ある決断を実行しようとした時、誰かの先手の一言で意気消沈してしまうと言うこの奇病。
そのせいで僕は"フリカケ屋さん"をオープンさせる事を諦めた。
………………………………………………………………………
そして時は流れて今、2025年現在
僕は細々とカフェを経営させていただいている。
そして思う。
"まじでフリカケ屋やんなくてよかったぁあああっぶねぇえええ!!!!!つーかフリカケ屋ってなんだよおいおい!!!多分客こねぇえええ!!!!"
と。
幼い頃からの悩みの種でもあった
"先天性天の邪鬼症候群"
これに助けられる事もあるものだ。と痛感しながら生きている今日この頃。
皆様にも多かれ少なかれ、そんな天の邪鬼な成分が含まれていたりするのではないでしょうか?
もしもそんな自分に嫌気がさすことがあった時、
時としてその天の邪鬼な自分が正しい道筋を導き出すこともあるのかもしれない。
そう思ってくれたら幸いです。
いつにも増してなに書いてんのかよくわからなくなってきたのでこの辺で。
それではみなさん
さよーなら。
2025年5月27日火曜日
2025年4月28日月曜日
THEE LOST DAYS.
はい もしもし。
こちらレンタルビデオショップ○○埼玉店 の ○○と 申しますが 高橋様の携帯電話でよろしかったでしょうか?
えぇ。そうですが
………………………………………………………………
あの日僕は、なんとなく荒んでしまっていた自分の心を沈静させる為になにをするべきなのか。そんな事をぼんやりと考えていた
仕事であまりにも疲弊していたわけでもない。
プライベートで大問題を抱えていたわけでもない。
...特段なにかがあったわけではない。だがなぜだろうか、なんとなく僕は "疲れていた" のだ。
そんなある日、お休みを利用し、遠い昔住んでいた街、東京へと出掛けた。
宿泊先は縁もゆかりもない、そして当時近県ではあったが、結局殆ど立ち寄らぬままだった"埼玉" に決めたのだった。
なぜこんなにもパッとしないのだろうか。
僕はあの日、逃げるようにして辿り着いた東京の街をただただ歩き続けた
歩くのはいい。思考をクリアにしてくれる。前向きにならないまでもどんよりと膜が張った僕の頭の内部を優しくクリーニングしてくれる。
昔からうすぼんやりとした憂鬱を慢性的に抱えている僕は、幼少期からこの"散歩"と言う行為で平静を保ってきた。
今回もまた、散歩に身も心も委ね平静を取り戻しつつあった。
散々と歩き少し疲労してきた頃、宿泊先に選んだ宿へとチェックインする。
その宿は "綺麗 豪華" とは程遠く、築年数も中々に経過し、少し狼狽した様相のホテルで、郊外に出るとどこにでもあるような草臥れた宿だった。
僕に用意された部屋には寝具以外特段なにもない、良く言えばシンプル、悪く言えば簡素でつまらない空間であった。
唯一テーブルの隅に色鮮やかなブルーカラーのDVDプレーヤーが所在なくぽつねんと置かれている。
"ソレ"は、なにもない部屋には妙に浮いて見えた。
目的もなにもない休日の逃避行。
なんの責任もなく毎日をお気楽に過ごしていた少年時代を彷彿とさせるこの時間に、妙な高揚感と安堵感を抱き始めていた僕は、更に童心へと帰化したくなり当時大好きだったアニメでも見てみよう。そう思い立った。
目の前の"砂漠の中でみた蜃気楼"の様な存在感を放ったプレーヤーを眺めていると、
"そうするべきだ" と
強迫にも似たような強い言葉が僕の頭の中で囁き始めていた。
近くにレンタルビデオショップがあるのかどうか検索してみると、宿から徒歩数分のところにレンタルビデオショップを見つけた。
そこはどうやら、今時分とても珍しく"個人"でやっているお店であった為、更に気分は高揚した
店名は一応伏せておくが仮名として
カオススカイ埼玉店(仮) としておこう
(今時DVD等をレンタルするとなれば皆様の頭には恐らくTSUTAYAかGEO。この2択くらいしか思い浮かばないのではないだろうか)
早速カオススカイ埼玉へと向かう。
辿り着いた店の外観はなかなかに年期のはいった外壁に囲われており、建物自体もなかなかのヴィンテージ感。個人的にはそこもかなりの好印象であった。早速店内に入ると、そこには想像通りと言えば相違ないがそれにしても異質な世界が広がっていた。
店内は異様に空白のスペースが多い
と、なると必然的にレンタルDVDの品数が、相応に少なくなる
遠くない未来、ここは閉店してしまうのだろうか。
俺はDVDが好きだ。
だからいつだってどんな映像だって、DVDを通してじゃなければ視界にいれてやらないのさ。わかったか?
わかったのならこの俺ですら知らない新たなDVDをよこせぇぇぇぇえ....
そんな猟奇的なDVDコレクターがいたとしたら、恐らくソイツの自宅よりもDVDの本数は少ないであろう。
そんな意味不明な架空のキャラクターまで作ってしまうほど品数が少なかった。
まあいいさ。
なんとなくの時間を過ごせればいいのだ。
非の打ち所がないほどのクオリティ作品を求めているわけじゃない。
なんならその逆だ。
おざなりに作られたざっくりと適当な代物くらいが丁度よいのだ。
その方がより童心に近いってものだろう?
大人になってしまった我々は
より楽しいものを
より美しいものを
より美味しいものを
より..........
と、求めるものが大きくなりすぎた結果、むしろ楽しむ事がヘタクソになってしまっている。
幼かった頃は、どんなものでも楽しく。どんなものでも美味しく。どんな風景をも美しく感じられたものだ。
よし。ならば適当に選んでしまおう。
と、手に取ったのが
"ドラえもん のび太のドラビアンナイト"
であった。
レンタルを済ませ意気揚々宿へと戻り、早々にDVDを見る。
................................
はは、ははははは
つまんねぇぇ!つまんねーよやっぱ。
だがそれでいいのだ。つまらない。この状況が面白いのだ。内容なんてどうだっていい。
事実、それを見ていたら心がなにやらぽかぽかと、穏やかになっていくではないか。
凍りついていた疾患が少しずつ溶解しはじめていた。
はははははははは。 やっぱつまんねーよ。
だが幸せだ。最高に楽しい。つまらないの中に最高の楽しさがあったのだ。幸せはある意味お金では買えない。一瞬の刹那、僕はそう確信したのである。
そんなふわふわとしたユートピアでの時間はあっと言う間に過ぎ去り、間も無く僕は仙台に戻った。
…………………………………………………………………………
1ヶ月後
僕の携帯電話に見知らぬ電話番号からの着信が入った。
はい もしもし
こちらレンタルビデオショップカオススカイ埼玉店 の ○○と 申しますが 高橋様の携帯電話でよろしかったでしょうか?
えぇ。そうですが
大変恐縮ですが当店でレンタルされている
"ドラえもんのび太のドラビアンナイト" が未だ返却されていないのですがお心当たりはございますでしょうか?
僕はしばらく沈黙し、オーギュスト・ロダンの代表作"考える人"と類似するポーズでしばらく思考を巡らした
数秒後...僕はゾッとした。
なぜか? 悲しいくらいに心当たりがあったからだ。
そして思い出したのだ。あの日の事を。なぜ今の今まで忘れていたのだろう。あのDVDを返却していなかった事を!!おおジーザス!!!
僕は返答した
"はい。心当たりがあります本当にごめんなさい忘れてました"
"かしこまりました。それでは延滞料金についてご説明させていただきますね"
ぐぅぅ...利き腕の拳を全力で握りしめ下唇を強く噛み締める。
秘密工作員として乗り込んだ先の国家に拘束され拷問に耐え続ける気高い男の様な表情だ。
やべぇ。いくらなんだ。
"ちなみに当店ではレンタル商品の延滞金については上限がありまして..."
ハ、ハレルヤ!!!
上限があるのか!て、事はだ。
"駐車料金のこの時間以降は一律この値段でストップです" あの夢の様なシステムがこのレンタルショップにも適用されると言うことだ。助かった。だが上限額はいくらだ。さぁ、先を教えておくれ。
"当店では延滞金の上限として最大¥26000とさせていただいおりました。なのでそちらの金額のお支払いとドラえもんのび太のドラビアンナイトの返却をお願いしておりましたが返却予定日はいつ頃になりますでしょうか?"
いやたっけぇええええぇええぃ!!!!
ジーザス!ジーザス!!ジーザス!!!!
僕は心の奥底で僕自身を蔑み侮蔑した。
¥26000と言うアホンダラな延滞金を産み出した所業に... そして¥26000の延滞金を産み出した象徴的作品が"どらえもん"だと言う事実に!!!
それと同時にひんやりとした冷や汗が首筋から背中にかけてゆっくりと伝っていった、
なぜか?
そもそも"どらえもんのび太のドラビアンナイト"がどこにあるのかもうわかんなかったからぁああ!!!
なくしたぁぁあああ!!!!!
そう、僕はあの日、DVDを見てからあのDVDの存在をキレイさっぱり忘れ去ってしまっていたのだ(本当になぜかわからないけど) て、事はだ。
当然あのDVDをどうしたのかももうわからないのだ。
僕は尋ねた。
"はい。すぐにお支払いは致します本当にごめんなさい。ただ、実はDVDが見当たらずどうしたものかと思っていたのですが..."
"あ、そうですか。大丈夫ですよ。そうしましたら、新品、もしくはそれに近い状態の商品を弁償していただければと思います。
延滞金のお支払いの際にでもこちらにお持ちいただければと思いますので宜しくお願い致します。"
だよね........
................................................................
結局僕は、
あの幸せな時間をしっかりとお金で購入していたのである。
"幸せはある意味お金では買えない。一瞬の刹那、僕はそう確信したのである"
誰かの安価な名言の様にそんな事を書き記していた僕は、なんて滑稽な男なのだろうか。。。
僕の一瞬のユートピアは、間も無くして姿を消したのだった
いや、つーか俺、まじでなにやってんの。。。
...............................................................
皆様、春です。なんとなくボーッとしてしまう今日この頃。
暖かくとても美しい季節です。
皆様もユートピア、是非探してみてください。
それでは、さよなら
こちらレンタルビデオショップ○○埼玉店 の ○○と 申しますが 高橋様の携帯電話でよろしかったでしょうか?
えぇ。そうですが
………………………………………………………………
あの日僕は、なんとなく荒んでしまっていた自分の心を沈静させる為になにをするべきなのか。そんな事をぼんやりと考えていた
仕事であまりにも疲弊していたわけでもない。
プライベートで大問題を抱えていたわけでもない。
...特段なにかがあったわけではない。だがなぜだろうか、なんとなく僕は "疲れていた" のだ。
そんなある日、お休みを利用し、遠い昔住んでいた街、東京へと出掛けた。
宿泊先は縁もゆかりもない、そして当時近県ではあったが、結局殆ど立ち寄らぬままだった"埼玉" に決めたのだった。
なぜこんなにもパッとしないのだろうか。
僕はあの日、逃げるようにして辿り着いた東京の街をただただ歩き続けた
歩くのはいい。思考をクリアにしてくれる。前向きにならないまでもどんよりと膜が張った僕の頭の内部を優しくクリーニングしてくれる。
昔からうすぼんやりとした憂鬱を慢性的に抱えている僕は、幼少期からこの"散歩"と言う行為で平静を保ってきた。
今回もまた、散歩に身も心も委ね平静を取り戻しつつあった。
散々と歩き少し疲労してきた頃、宿泊先に選んだ宿へとチェックインする。
その宿は "綺麗 豪華" とは程遠く、築年数も中々に経過し、少し狼狽した様相のホテルで、郊外に出るとどこにでもあるような草臥れた宿だった。
僕に用意された部屋には寝具以外特段なにもない、良く言えばシンプル、悪く言えば簡素でつまらない空間であった。
唯一テーブルの隅に色鮮やかなブルーカラーのDVDプレーヤーが所在なくぽつねんと置かれている。
"ソレ"は、なにもない部屋には妙に浮いて見えた。
目的もなにもない休日の逃避行。
なんの責任もなく毎日をお気楽に過ごしていた少年時代を彷彿とさせるこの時間に、妙な高揚感と安堵感を抱き始めていた僕は、更に童心へと帰化したくなり当時大好きだったアニメでも見てみよう。そう思い立った。
目の前の"砂漠の中でみた蜃気楼"の様な存在感を放ったプレーヤーを眺めていると、
"そうするべきだ" と
強迫にも似たような強い言葉が僕の頭の中で囁き始めていた。
近くにレンタルビデオショップがあるのかどうか検索してみると、宿から徒歩数分のところにレンタルビデオショップを見つけた。
そこはどうやら、今時分とても珍しく"個人"でやっているお店であった為、更に気分は高揚した
店名は一応伏せておくが仮名として
カオススカイ埼玉店(仮) としておこう
(今時DVD等をレンタルするとなれば皆様の頭には恐らくTSUTAYAかGEO。この2択くらいしか思い浮かばないのではないだろうか)
早速カオススカイ埼玉へと向かう。
辿り着いた店の外観はなかなかに年期のはいった外壁に囲われており、建物自体もなかなかのヴィンテージ感。個人的にはそこもかなりの好印象であった。早速店内に入ると、そこには想像通りと言えば相違ないがそれにしても異質な世界が広がっていた。
店内は異様に空白のスペースが多い
と、なると必然的にレンタルDVDの品数が、相応に少なくなる
遠くない未来、ここは閉店してしまうのだろうか。
俺はDVDが好きだ。
だからいつだってどんな映像だって、DVDを通してじゃなければ視界にいれてやらないのさ。わかったか?
わかったのならこの俺ですら知らない新たなDVDをよこせぇぇぇぇえ....
そんな猟奇的なDVDコレクターがいたとしたら、恐らくソイツの自宅よりもDVDの本数は少ないであろう。
そんな意味不明な架空のキャラクターまで作ってしまうほど品数が少なかった。
まあいいさ。
なんとなくの時間を過ごせればいいのだ。
非の打ち所がないほどのクオリティ作品を求めているわけじゃない。
なんならその逆だ。
おざなりに作られたざっくりと適当な代物くらいが丁度よいのだ。
その方がより童心に近いってものだろう?
大人になってしまった我々は
より楽しいものを
より美しいものを
より美味しいものを
より..........
と、求めるものが大きくなりすぎた結果、むしろ楽しむ事がヘタクソになってしまっている。
幼かった頃は、どんなものでも楽しく。どんなものでも美味しく。どんな風景をも美しく感じられたものだ。
よし。ならば適当に選んでしまおう。
と、手に取ったのが
"ドラえもん のび太のドラビアンナイト"
であった。
レンタルを済ませ意気揚々宿へと戻り、早々にDVDを見る。
................................
はは、ははははは
つまんねぇぇ!つまんねーよやっぱ。
だがそれでいいのだ。つまらない。この状況が面白いのだ。内容なんてどうだっていい。
事実、それを見ていたら心がなにやらぽかぽかと、穏やかになっていくではないか。
凍りついていた疾患が少しずつ溶解しはじめていた。
はははははははは。 やっぱつまんねーよ。
だが幸せだ。最高に楽しい。つまらないの中に最高の楽しさがあったのだ。幸せはある意味お金では買えない。一瞬の刹那、僕はそう確信したのである。
そんなふわふわとしたユートピアでの時間はあっと言う間に過ぎ去り、間も無く僕は仙台に戻った。
…………………………………………………………………………
1ヶ月後
僕の携帯電話に見知らぬ電話番号からの着信が入った。
はい もしもし
こちらレンタルビデオショップカオススカイ埼玉店 の ○○と 申しますが 高橋様の携帯電話でよろしかったでしょうか?
えぇ。そうですが
大変恐縮ですが当店でレンタルされている
"ドラえもんのび太のドラビアンナイト" が未だ返却されていないのですがお心当たりはございますでしょうか?
僕はしばらく沈黙し、オーギュスト・ロダンの代表作"考える人"と類似するポーズでしばらく思考を巡らした
数秒後...僕はゾッとした。
なぜか? 悲しいくらいに心当たりがあったからだ。
そして思い出したのだ。あの日の事を。なぜ今の今まで忘れていたのだろう。あのDVDを返却していなかった事を!!おおジーザス!!!
僕は返答した
"はい。心当たりがあります本当にごめんなさい忘れてました"
"かしこまりました。それでは延滞料金についてご説明させていただきますね"
ぐぅぅ...利き腕の拳を全力で握りしめ下唇を強く噛み締める。
秘密工作員として乗り込んだ先の国家に拘束され拷問に耐え続ける気高い男の様な表情だ。
やべぇ。いくらなんだ。
"ちなみに当店ではレンタル商品の延滞金については上限がありまして..."
ハ、ハレルヤ!!!
上限があるのか!て、事はだ。
"駐車料金のこの時間以降は一律この値段でストップです" あの夢の様なシステムがこのレンタルショップにも適用されると言うことだ。助かった。だが上限額はいくらだ。さぁ、先を教えておくれ。
"当店では延滞金の上限として最大¥26000とさせていただいおりました。なのでそちらの金額のお支払いとドラえもんのび太のドラビアンナイトの返却をお願いしておりましたが返却予定日はいつ頃になりますでしょうか?"
いやたっけぇええええぇええぃ!!!!
ジーザス!ジーザス!!ジーザス!!!!
僕は心の奥底で僕自身を蔑み侮蔑した。
¥26000と言うアホンダラな延滞金を産み出した所業に... そして¥26000の延滞金を産み出した象徴的作品が"どらえもん"だと言う事実に!!!
それと同時にひんやりとした冷や汗が首筋から背中にかけてゆっくりと伝っていった、
なぜか?
そもそも"どらえもんのび太のドラビアンナイト"がどこにあるのかもうわかんなかったからぁああ!!!
なくしたぁぁあああ!!!!!
そう、僕はあの日、DVDを見てからあのDVDの存在をキレイさっぱり忘れ去ってしまっていたのだ(本当になぜかわからないけど) て、事はだ。
当然あのDVDをどうしたのかももうわからないのだ。
僕は尋ねた。
"はい。すぐにお支払いは致します本当にごめんなさい。ただ、実はDVDが見当たらずどうしたものかと思っていたのですが..."
"あ、そうですか。大丈夫ですよ。そうしましたら、新品、もしくはそれに近い状態の商品を弁償していただければと思います。
延滞金のお支払いの際にでもこちらにお持ちいただければと思いますので宜しくお願い致します。"
だよね........
................................................................
結局僕は、
あの幸せな時間をしっかりとお金で購入していたのである。
"幸せはある意味お金では買えない。一瞬の刹那、僕はそう確信したのである"
誰かの安価な名言の様にそんな事を書き記していた僕は、なんて滑稽な男なのだろうか。。。
僕の一瞬のユートピアは、間も無くして姿を消したのだった
いや、つーか俺、まじでなにやってんの。。。
...............................................................
皆様、春です。なんとなくボーッとしてしまう今日この頃。
暖かくとても美しい季節です。
皆様もユートピア、是非探してみてください。
それでは、さよなら
2025年3月25日火曜日
THE Asteraceae... Do you know オナモミ?
皆様こんにちは。
3月も下旬、春です。
新たな門出の季節。出会いもありますが、やはり別れもある。
人は様々な場面を通し、新たな人やモノ、出来事に出会い、そして別れていく。そんな一瞬の刹那の中で生きております。
それを強く感じる季節。それが今、"春"ではないでしょうか。
先日、クローゼットを整理していると懐かしいセーターを発見。
たくましい肉厚のウールボディにざっくりと編まれたクルーネックのラフなモノだ。
これは、都内某所のフリーマーケットで格安で購入したものである。
良くも悪くもデザインにてらいが一切なく至ってシンプルであった事、そして安価で購入出来たことも相まって出番は非常に多くとにかく寒かったらこれ着とけばいいや。位で本当によく着用していた。
何気なく袖を通し鏡に全身を写す
え?これ、まだいける。むしろなんか、かっこいいんじゃないか。
そう言えばなぜこんなに汎用性の高いモノを着用しなくなってしまったのだろうか
懐かしいお気に入りのセーターに身を包んだ僕は、上機嫌で犬の散歩に出かけた。
最近は気温も少しずつ上昇し、日中は暖かい日も多くなってきてとても過ごしやすい。その日も非常に心地の良い気候であった為、僕らは川沿いの心地の良い遊歩道を散歩していた。
すると、くりまるの毛の中に何かが入り込んでいる。
なんだろうか? 覗き込むと
あぁ。
"オナモミ" だ。
オナモミとは通称"バカ"や"ひっつき虫"とも呼ばれるキク科の植物である。
以下資料抜粋
↓↓↓
キク科の一年草で空き地や河川敷、道端に自生。
オナモミの中にも種類がありますが、最近では外国からやってきたオオオナモミとイガオナモミが一般的です。
トゲトゲの先端には引っかけるかぎ針を持っていて、私たちの衣服をちょいっとつかんで種子を遠くへ運んでもらおうと待ち伏せしているわけです。
トゲは触ると痛いぐらいに丈夫なので、種子を運ぶ役割の他に、敵から身を守る鎧としても役立ちます。
↑↑↑
てなヤツ。
おそらく皆様も、この植物が衣類に付着してイヤになってしまった経験が一度はあるのではないだろうか。
やれやれ、少しカールしているくりまるの毛に付着したオナモミはなかなかどうして取るのが困難で、引っ張ればくりまるがイヤがり、優しくほぐそうとすれば奥へと潜り込んでしまう。
あぁ.........
もういい!と力一杯握るとイガイガととんがっているオナモミのボディに自分の手が食い込み激痛に見舞われる。
なんだこの植物。なんか本当に、好きになれない。。
と、心地の良い気候の中のエデンの河原が殺伐とした空気に支配されかけた頃
ふぅ...。ようやく1通りくりまるの中に侵入したオナモミを取り終えたのであった。
やれやれあぶない。せっかくの心地の良い1日が殺伐とした空気で台無しになるところであった。
さて、行くか。と ふと自分の胸辺りを触ると
いて! 。ん? あ、ヤツだ。 "オナモミ" だ。
チクショウ。俺にも付着していたか。そして衣類から取ろうとするとウールニットの為、オナモミと共に少量のウールがハラリと抜けていく。
なに?これは、なんか、イヤだ。せっかく久しぶりに再会したニットなのに..。 だがまあいい。
1ヶ所ならば仕方ない。切り替えよう さあ 行くか
と、ふと腰の辺りに両手をのせると
いってぇえ!! 。 あぁ? ヤツだ! オナモミだ!
またかよチクショウ! 丁寧にオナモミを取ろうとしたがなかなかとれない。
あぁもういいわ!と力一杯引っ張ると
"ハラリ"
うぅわぁああ!!思い出のニットの一部ぅーー!! と、またもオナモミと共に少量のウールも春の風に吹かれていく。
まぁまぁまぁ。まあいいわ! よし!もう行くぞ。
と ふと上半身の前部をパンパンと払う仕草をすると
いぃいいいってぇえええ!!!! いやあいつだろう???
ほらオナモミいぃいいい!!!
ちちちチックショウがぁぁああぁ!!!
もういいわぁあああ!!と一旦ニットを勢いよく脱ぎ去ると
えぇええ!!!背中にもビッシリオナモミぃいいぃひぃいいいいぃいいい!!!!!
帰宅した僕は、オナモミに寄生されたニットを思い出と共に捨て去った。
指定の大きなゴミ袋に抱かれた思い出のニットは、
どこか物憂げで、僕は暖かく穏やかな空気の中で、ほんの少しだけ感傷に浸った
春です。皆様、一瞬の刹那を胸に楽しく過ごしていきましょう。
ではさよなら
3月も下旬、春です。
新たな門出の季節。出会いもありますが、やはり別れもある。
人は様々な場面を通し、新たな人やモノ、出来事に出会い、そして別れていく。そんな一瞬の刹那の中で生きております。
それを強く感じる季節。それが今、"春"ではないでしょうか。
先日、クローゼットを整理していると懐かしいセーターを発見。
たくましい肉厚のウールボディにざっくりと編まれたクルーネックのラフなモノだ。
これは、都内某所のフリーマーケットで格安で購入したものである。
良くも悪くもデザインにてらいが一切なく至ってシンプルであった事、そして安価で購入出来たことも相まって出番は非常に多くとにかく寒かったらこれ着とけばいいや。位で本当によく着用していた。
何気なく袖を通し鏡に全身を写す
え?これ、まだいける。むしろなんか、かっこいいんじゃないか。
そう言えばなぜこんなに汎用性の高いモノを着用しなくなってしまったのだろうか
懐かしいお気に入りのセーターに身を包んだ僕は、上機嫌で犬の散歩に出かけた。
最近は気温も少しずつ上昇し、日中は暖かい日も多くなってきてとても過ごしやすい。その日も非常に心地の良い気候であった為、僕らは川沿いの心地の良い遊歩道を散歩していた。
すると、くりまるの毛の中に何かが入り込んでいる。
なんだろうか? 覗き込むと
あぁ。
"オナモミ" だ。
オナモミとは通称"バカ"や"ひっつき虫"とも呼ばれるキク科の植物である。
以下資料抜粋
↓↓↓
キク科の一年草で空き地や河川敷、道端に自生。
オナモミの中にも種類がありますが、最近では外国からやってきたオオオナモミとイガオナモミが一般的です。
トゲトゲの先端には引っかけるかぎ針を持っていて、私たちの衣服をちょいっとつかんで種子を遠くへ運んでもらおうと待ち伏せしているわけです。
トゲは触ると痛いぐらいに丈夫なので、種子を運ぶ役割の他に、敵から身を守る鎧としても役立ちます。
↑↑↑
てなヤツ。
おそらく皆様も、この植物が衣類に付着してイヤになってしまった経験が一度はあるのではないだろうか。
やれやれ、少しカールしているくりまるの毛に付着したオナモミはなかなかどうして取るのが困難で、引っ張ればくりまるがイヤがり、優しくほぐそうとすれば奥へと潜り込んでしまう。
あぁ.........
もういい!と力一杯握るとイガイガととんがっているオナモミのボディに自分の手が食い込み激痛に見舞われる。
なんだこの植物。なんか本当に、好きになれない。。
と、心地の良い気候の中のエデンの河原が殺伐とした空気に支配されかけた頃
ふぅ...。ようやく1通りくりまるの中に侵入したオナモミを取り終えたのであった。
やれやれあぶない。せっかくの心地の良い1日が殺伐とした空気で台無しになるところであった。
さて、行くか。と ふと自分の胸辺りを触ると
いて! 。ん? あ、ヤツだ。 "オナモミ" だ。
チクショウ。俺にも付着していたか。そして衣類から取ろうとするとウールニットの為、オナモミと共に少量のウールがハラリと抜けていく。
なに?これは、なんか、イヤだ。せっかく久しぶりに再会したニットなのに..。 だがまあいい。
1ヶ所ならば仕方ない。切り替えよう さあ 行くか
と、ふと腰の辺りに両手をのせると
いってぇえ!! 。 あぁ? ヤツだ! オナモミだ!
またかよチクショウ! 丁寧にオナモミを取ろうとしたがなかなかとれない。
あぁもういいわ!と力一杯引っ張ると
"ハラリ"
うぅわぁああ!!思い出のニットの一部ぅーー!! と、またもオナモミと共に少量のウールも春の風に吹かれていく。
まぁまぁまぁ。まあいいわ! よし!もう行くぞ。
と ふと上半身の前部をパンパンと払う仕草をすると
いぃいいいってぇえええ!!!! いやあいつだろう???
ほらオナモミいぃいいい!!!
ちちちチックショウがぁぁああぁ!!!
もういいわぁあああ!!と一旦ニットを勢いよく脱ぎ去ると
えぇええ!!!背中にもビッシリオナモミぃいいぃひぃいいいいぃいいい!!!!!
帰宅した僕は、オナモミに寄生されたニットを思い出と共に捨て去った。
指定の大きなゴミ袋に抱かれた思い出のニットは、
どこか物憂げで、僕は暖かく穏やかな空気の中で、ほんの少しだけ感傷に浸った
春です。皆様、一瞬の刹那を胸に楽しく過ごしていきましょう。
ではさよなら
2025年2月18日火曜日
fandango, once again
2月。
さみいよ。
今年は暖冬だ暖冬だ。なんて、そんな事言えど寒いものは寒い。どこに"暖"があるんだろうか全く。
早々に寒波が去り、とっとと暖かく朗らかな春へと向かいたいものです。
さて、そんな憂鬱な寒波に心身共に蝕まれている中、先日、私事ですが誕生日を迎えました。
その日を境に僕は38歳となったわけでありますが。
ああ..本当に時間が過ぎ去ったのだ
と、当日の早朝、洗面台に写し出された草臥れた自身の実像を目視し、そんな事をしみじみと思ったわけであります。
思い返せばロックミュージック、そんなモノに気が狂った様に卒倒したあの頃、数々の憧れのミュージシャン達が早死にだと言う事実を知った僕は、(特に27クラブと呼ばれた偉人たちにとても心惹かれたものである。所謂"中二病"と言うヤツであった)
あぁ..僕もきっと早々にこの世から去るのであろう。
何故ならば僕こそがロックに取り憑かれた新進気鋭の男なのだから。と、毎日狂喜に満ちた(フリ)思念をギターにぶつけ過ごしておりました。
が、気がつけば今の僕はどうだろうか?
ロックに取り憑かれるどころか一般思想にどっぷりと胡座をかいた男はとっくに27歳を過ぎ、38歳になっているではないか。
しかもそこそこに楽しくやらせてもらっている。
そしてやはり、鏡の前に写し出された38年分の"中古車"はそれ相応に朽ち果て、残酷なまでに自分自身にその事実を突き付けているのである。
だがしかし、皮肉にもこんな草臥れた中古車になった僕にも一抹の需要を見出だし、未だプレゼントなるモノをくれる賢者の様な方たちもおりまして、今年もありがたくポツリポツリと頂戴したわけであります。
美味しいお菓子。
興味をそそるタイトルの本。
健康グッズ。etc...
普段自分ではなかなか手に取らないであろうモノがもらえたりする。プレゼントではそう言ったある種自分の世界には無縁だった"モノや事"に出会えたりするのが楽しいものである。
そういった中でも今年、一際異彩を放つ世にも珍しいプレゼントをいただいたのです。。
……………………………………………………………
ブルルルルん!
けたたましいエンジン音を轟かせながら一台の高級車が店の駐車場で停止した。
よう!仕事中だけど寄ったわー!!
お店の近所から数分のところに住む友人が僕の誕生日前日、参上した(彼は以前ブログで書かせていただいた俺は不眠症だと偽った男である。2024年 7月 This
is a confession for ...参照 )
彼はコーヒーを注文し数十分寛ぐと
あ、そう言えば明日誕生日だったよね?おめでとう。
お互い歳取ったなー!
そう僕に言った。
いやいや、もうおめでとうなんて年齢でもないよ。
まぁ、でも、ありがとう。
僕はおじさんがおじさんから誕生日にお祝いの言葉をもらうことに異様な滑稽さを感じ、ついつい後ろ向きな返答で応対した。
だが、照れ臭さもあったが仄かな嬉しさがあったのも事実である。
さてさて、じゃあ、俺行くわ!またなー!
彼は束の間の休憩を得たあと颯爽と仕事に戻っていった。
さて僕も仕事に戻ろうか。店の入り口からすぐの大きなテーブルで寛いでいた彼の面影を片付けていると、ある事に気がついた。
ん、ない? んん? ないぞ?? あれ?
営業後コンビニにでも寄り、支払おうと思っていた自宅の電気料金の払込用紙。ソレがテーブルから消えている(そのテーブルは僕の作業台でもある為、だらしのない僕は私物をそのまま置いてしまっている事が多々あるのだ)
ここか? あそこか?
長方形のテーブルの縁を"黒魔術か何かの儀"の如し腰を大きく折り曲げた姿勢で何周もするがどこにも見当たらない。
え、なんで。
失われてしまった。最初からそこにはそんなもの存在していなかったかのように。
電気料金の払込用紙は、完璧にこの世から喪失してしまったのである。
まるでその出来事は僕に、
"支払わなくたっていいんだよ"
優しく凪ぐ春風のようにそう囁いている気がした。
いちいち払込用紙の所在等に時間を割いていられないのが大人ってもので。
そんな事はいつのまにか忘れ去り、気がつけば時刻は18時少し前、間も無くお店の閉店時間になろうとしていた...。
ブルルルルん!!!
けたたましい、心当たりのあるエンジン音を轟かせ誰かがやってきた。
オッスー!!またも寄ったぜー!!仕事終わったわー!!
彼だ。。。
だがなぜだ。なぜ日に2度も?
どちらかと言えば彼は変わり者に分類される人間に違いはないけれど、今までにこう言った行動をされた記憶が僕にはない。
ではなぜ。なぜ彼は2度も来店したのか?
彼はゆったりとこちら側に前進し、左の広角をクイッとあげ おもむろに左手をあげ、人差し指、中指、親指で軽くつまんだハガキ台サイズの"何か"をヒラヒラと団扇を彷彿させる動きであおいでいる。
むむ?よくみるとその"何か"は
払込用紙だ!払込用紙なんや!!! だがなぜ!?なぜ彼の左手に他人の家の光熱費の支払い用紙があるのだ!?しかも、あの形状はおそらく、
"控え"だ!!控えなんや!!!
コンビニの店員さんがどんなに忙しい状況下であっても必ず切り取って"こちらお客様のお控えになります"
と、手渡してくれるあの代物だ!!!
と、なると...
支払い済みだ!!!支払い済みと言う事実を意味しているんやぁあああーーたぁあああん!!!
だがなぜ!一体なぜなんだぁあああ!!?
そして彼は言った。
"ハッピーバースデー 払っといたぜ?"
驚愕した僕は
"え?"
たった1文字だけで応対した
やれやれ、と呆れた様な、それでいて無邪気な子供に対する余裕しゃくしゃくな大人の雰囲気を醸し出した様な。そんな絶妙な表情で彼は言った
"いや、だからプレゼントだよ。テーブルの支払い用紙無くなってただろ?気がつかなかったか?"
驚愕し言葉を失っている僕に向け、再度彼は左側の広角をクイッとあげ返答を待たず続けて言った
"払っといた ぜ"
キタァアアアアアアアアアアアアアアああぁああ!!!!!
先月の電気料金タダァアアアアアアアアあああんん!!!!!
かっけぇぇええええええ!!!!!!!!(実際カッコよくない。むしろ怖い。)
補足だがこの友人
遠い昔の事ではあるが、信じられないほどの世間知らずであった。
....................................................................
遥か昔、彼を含めた4人でほんの数ヶ月間、都内某所で暮らしていた事があるのだが、だらしなすぎる我々は電気の支払いを忘れ電気がストップする。といった事が何度もあった。
そのうち1度だけ、電気ストップ時に彼だけが家にいた事がある。ひとりぼっちでパニックになった彼は僕に電話をしてきたのだが、僕が電話口で リビングの戸棚にある(当時そこにまとめて光熱費の払込用紙をためていたのだ)"支払いカップ"を持ってコンビニで支払ってくれと指示をした。
※"カップ"とは当時を生きた人ならばご存知であろうが払込用紙に対する通り名である。(もしかすると今現在も生きた単語だろうか?)正式には"割賦"と書き分割払いを指す単語である。
その際彼は、光熱費の支払いをした経験がなかった為、本当に信じられない事だが、戸棚にあったそれっぽい(何を持ってしてそれっぽいと判断したかは未だ不明)と思った赤いスヌーピーのマグ"カップ"を持ってコンビニの店員さんに詰め寄ったと言う伝説を残した男である。
....................................................................
20年前のあの日、スヌーピーのマグカップを片手にコンビニの店内をオロオロと徘徊していた彼は
20年後の今、自分の店のテーブルの周りをオロオロと徘徊していた僕に受領書の返還を果たしたのであった。
彼はタイムトラベラーだったのだ。
..................................................................
時は残酷で、止まらずに流れていくけれど。
歳を取るのは悪くないな。と、そう思う今日この頃です。
とにもかくにも"公共料金の支払い"をプレゼントでいただいたのははじめてでした。
僕はおそらく、このプレゼントを生涯忘れる事はないだろう。
皆様にも門出の時
そんな時には高価なモノも良いですが、心に突き刺さり生涯忘れられそうにないモノ、事。そんな楽しいプレゼントが届きますように。
では、またね。
さみいよ。
今年は暖冬だ暖冬だ。なんて、そんな事言えど寒いものは寒い。どこに"暖"があるんだろうか全く。
早々に寒波が去り、とっとと暖かく朗らかな春へと向かいたいものです。
さて、そんな憂鬱な寒波に心身共に蝕まれている中、先日、私事ですが誕生日を迎えました。
その日を境に僕は38歳となったわけでありますが。
ああ..本当に時間が過ぎ去ったのだ
と、当日の早朝、洗面台に写し出された草臥れた自身の実像を目視し、そんな事をしみじみと思ったわけであります。
思い返せばロックミュージック、そんなモノに気が狂った様に卒倒したあの頃、数々の憧れのミュージシャン達が早死にだと言う事実を知った僕は、(特に27クラブと呼ばれた偉人たちにとても心惹かれたものである。所謂"中二病"と言うヤツであった)
あぁ..僕もきっと早々にこの世から去るのであろう。
何故ならば僕こそがロックに取り憑かれた新進気鋭の男なのだから。と、毎日狂喜に満ちた(フリ)思念をギターにぶつけ過ごしておりました。
が、気がつけば今の僕はどうだろうか?
ロックに取り憑かれるどころか一般思想にどっぷりと胡座をかいた男はとっくに27歳を過ぎ、38歳になっているではないか。
しかもそこそこに楽しくやらせてもらっている。
そしてやはり、鏡の前に写し出された38年分の"中古車"はそれ相応に朽ち果て、残酷なまでに自分自身にその事実を突き付けているのである。
だがしかし、皮肉にもこんな草臥れた中古車になった僕にも一抹の需要を見出だし、未だプレゼントなるモノをくれる賢者の様な方たちもおりまして、今年もありがたくポツリポツリと頂戴したわけであります。
美味しいお菓子。
興味をそそるタイトルの本。
健康グッズ。etc...
普段自分ではなかなか手に取らないであろうモノがもらえたりする。プレゼントではそう言ったある種自分の世界には無縁だった"モノや事"に出会えたりするのが楽しいものである。
そういった中でも今年、一際異彩を放つ世にも珍しいプレゼントをいただいたのです。。
……………………………………………………………
ブルルルルん!
けたたましいエンジン音を轟かせながら一台の高級車が店の駐車場で停止した。
よう!仕事中だけど寄ったわー!!
お店の近所から数分のところに住む友人が僕の誕生日前日、参上した(彼は以前ブログで書かせていただいた俺は不眠症だと偽った男である。2024年 7月 This
is a confession for ...参照 )
彼はコーヒーを注文し数十分寛ぐと
あ、そう言えば明日誕生日だったよね?おめでとう。
お互い歳取ったなー!
そう僕に言った。
いやいや、もうおめでとうなんて年齢でもないよ。
まぁ、でも、ありがとう。
僕はおじさんがおじさんから誕生日にお祝いの言葉をもらうことに異様な滑稽さを感じ、ついつい後ろ向きな返答で応対した。
だが、照れ臭さもあったが仄かな嬉しさがあったのも事実である。
さてさて、じゃあ、俺行くわ!またなー!
彼は束の間の休憩を得たあと颯爽と仕事に戻っていった。
さて僕も仕事に戻ろうか。店の入り口からすぐの大きなテーブルで寛いでいた彼の面影を片付けていると、ある事に気がついた。
ん、ない? んん? ないぞ?? あれ?
営業後コンビニにでも寄り、支払おうと思っていた自宅の電気料金の払込用紙。ソレがテーブルから消えている(そのテーブルは僕の作業台でもある為、だらしのない僕は私物をそのまま置いてしまっている事が多々あるのだ)
ここか? あそこか?
長方形のテーブルの縁を"黒魔術か何かの儀"の如し腰を大きく折り曲げた姿勢で何周もするがどこにも見当たらない。
え、なんで。
失われてしまった。最初からそこにはそんなもの存在していなかったかのように。
電気料金の払込用紙は、完璧にこの世から喪失してしまったのである。
まるでその出来事は僕に、
"支払わなくたっていいんだよ"
優しく凪ぐ春風のようにそう囁いている気がした。
いちいち払込用紙の所在等に時間を割いていられないのが大人ってもので。
そんな事はいつのまにか忘れ去り、気がつけば時刻は18時少し前、間も無くお店の閉店時間になろうとしていた...。
ブルルルルん!!!
けたたましい、心当たりのあるエンジン音を轟かせ誰かがやってきた。
オッスー!!またも寄ったぜー!!仕事終わったわー!!
彼だ。。。
だがなぜだ。なぜ日に2度も?
どちらかと言えば彼は変わり者に分類される人間に違いはないけれど、今までにこう言った行動をされた記憶が僕にはない。
ではなぜ。なぜ彼は2度も来店したのか?
彼はゆったりとこちら側に前進し、左の広角をクイッとあげ おもむろに左手をあげ、人差し指、中指、親指で軽くつまんだハガキ台サイズの"何か"をヒラヒラと団扇を彷彿させる動きであおいでいる。
むむ?よくみるとその"何か"は
払込用紙だ!払込用紙なんや!!! だがなぜ!?なぜ彼の左手に他人の家の光熱費の支払い用紙があるのだ!?しかも、あの形状はおそらく、
"控え"だ!!控えなんや!!!
コンビニの店員さんがどんなに忙しい状況下であっても必ず切り取って"こちらお客様のお控えになります"
と、手渡してくれるあの代物だ!!!
と、なると...
支払い済みだ!!!支払い済みと言う事実を意味しているんやぁあああーーたぁあああん!!!
だがなぜ!一体なぜなんだぁあああ!!?
そして彼は言った。
"ハッピーバースデー 払っといたぜ?"
驚愕した僕は
"え?"
たった1文字だけで応対した
やれやれ、と呆れた様な、それでいて無邪気な子供に対する余裕しゃくしゃくな大人の雰囲気を醸し出した様な。そんな絶妙な表情で彼は言った
"いや、だからプレゼントだよ。テーブルの支払い用紙無くなってただろ?気がつかなかったか?"
驚愕し言葉を失っている僕に向け、再度彼は左側の広角をクイッとあげ返答を待たず続けて言った
"払っといた ぜ"
キタァアアアアアアアアアアアアアアああぁああ!!!!!
先月の電気料金タダァアアアアアアアアあああんん!!!!!
かっけぇぇええええええ!!!!!!!!(実際カッコよくない。むしろ怖い。)
補足だがこの友人
遠い昔の事ではあるが、信じられないほどの世間知らずであった。
....................................................................
遥か昔、彼を含めた4人でほんの数ヶ月間、都内某所で暮らしていた事があるのだが、だらしなすぎる我々は電気の支払いを忘れ電気がストップする。といった事が何度もあった。
そのうち1度だけ、電気ストップ時に彼だけが家にいた事がある。ひとりぼっちでパニックになった彼は僕に電話をしてきたのだが、僕が電話口で リビングの戸棚にある(当時そこにまとめて光熱費の払込用紙をためていたのだ)"支払いカップ"を持ってコンビニで支払ってくれと指示をした。
※"カップ"とは当時を生きた人ならばご存知であろうが払込用紙に対する通り名である。(もしかすると今現在も生きた単語だろうか?)正式には"割賦"と書き分割払いを指す単語である。
その際彼は、光熱費の支払いをした経験がなかった為、本当に信じられない事だが、戸棚にあったそれっぽい(何を持ってしてそれっぽいと判断したかは未だ不明)と思った赤いスヌーピーのマグ"カップ"を持ってコンビニの店員さんに詰め寄ったと言う伝説を残した男である。
....................................................................
20年前のあの日、スヌーピーのマグカップを片手にコンビニの店内をオロオロと徘徊していた彼は
20年後の今、自分の店のテーブルの周りをオロオロと徘徊していた僕に受領書の返還を果たしたのであった。
彼はタイムトラベラーだったのだ。
..................................................................
時は残酷で、止まらずに流れていくけれど。
歳を取るのは悪くないな。と、そう思う今日この頃です。
とにもかくにも"公共料金の支払い"をプレゼントでいただいたのははじめてでした。
僕はおそらく、このプレゼントを生涯忘れる事はないだろう。
皆様にも門出の時
そんな時には高価なモノも良いですが、心に突き刺さり生涯忘れられそうにないモノ、事。そんな楽しいプレゼントが届きますように。
では、またね。
2025年1月3日金曜日
BLUE
明けましておめでとうございます。
2025年。
市場で意気揚々と購入したお刺身達。
本マグロ 中落ち エビにエンガワ。
おまけに筋子とタラコ。
お正月くらいは贅沢に。
ホクホクとした面持ちで帰宅し、後部座席に乗せたお刺身達が収納されたビニール袋を掴む。
え? ない 刺身ねえんだけど
え? なんで? 刺身 ねえんだけど?
僕が掴んだビニール袋は所在なくヒラヒラと僕の右手を軸に揺れ、切なく凪っていた
色んなモノを失くしてきた人生だったけれど、刺身を失くしたのははじめてです。
刺身を紛失した僕は
"緑のタヌキ"に最後の希望を託し
2025年 スタートです。
Route99.
1月8日より営業開始いたします。
皆様何卒、今年も宜しくお願い致します。
緑のタヌキうめぇ....
2025年。
市場で意気揚々と購入したお刺身達。
本マグロ 中落ち エビにエンガワ。
おまけに筋子とタラコ。
お正月くらいは贅沢に。
ホクホクとした面持ちで帰宅し、後部座席に乗せたお刺身達が収納されたビニール袋を掴む。
え? ない 刺身ねえんだけど
え? なんで? 刺身 ねえんだけど?
僕が掴んだビニール袋は所在なくヒラヒラと僕の右手を軸に揺れ、切なく凪っていた
色んなモノを失くしてきた人生だったけれど、刺身を失くしたのははじめてです。
刺身を紛失した僕は
"緑のタヌキ"に最後の希望を託し
2025年 スタートです。
Route99.
1月8日より営業開始いたします。
皆様何卒、今年も宜しくお願い致します。
緑のタヌキうめぇ....
2024年12月31日火曜日
See you Later
こんばんは。
12月31日。2024年、最終日でございます。
毎度の事ですが1年間。なぜこんなにも早く感じるのでしょうか。あっ と言う間の1年間でした。
今年のはじまり。1月はタイにお邪魔しました。
そこで言葉の壁にぶつかり何をオーダーしてもカオソーイ(タイのラーメンみたいなヤツ)が来ると言うトラブルに見回れました。
ちなみに以前、このブログでも紹介したモラトリアムウルフ君は夜な夜な腹痛に悩まされると言うトラブルに見回れておりました
(なんで俺が...ちっくしょうがぁ!!は..?ここは地獄か?? と、僕が寝ているベット脇のトイレから彼の声が夜な夜な漏れ聞こえてくる夜。それは僕にとっても地獄でした)
2月 僕の誕生月でもありました。
ありがたいことに だーれも 気がついておりませんでした。 いやまあ、そりゃそーだ。
3月 久しぶりに金縛りにあいました。その日から4日ほど連続で金縛りが続きました。なぜかその期間中疎遠になっていた友人からの着信が連日続いておりました。犯人はきっとあいつだろう。
4月 キラキラした目をもった55歳の伯父様にこれからミュージシャンになる夢を叶えると言う壮大なお話しを聞かされました。
全楽器未経験、作詞作曲経験も皆無だが信じる力があれば必ず叶うよね?
と言われ "たぶん無理です" と言い放ってしまう。
もうちょっと優しく対応すればよかった。
5月 くりまると花見会場を散歩しているとたくさんの酔客の方達が "かわいい~" とすり寄ってくる。
序盤は "アハハ、ありがとうございます" と対応していたが中盤から "噛みますよ?" と二重人格の様な対応に変化してしまう。その後 "くりまる君ー" と、何度かお店に来てくださっている方に遭遇し
"アハハ。どうぞどうぞ~" と対応が二転三転しサイコパスの様な男になる。
6月 "タナダ レン" と言う男に間違われる
7月 "タナダ レン" がベトナムの迷惑系youtuberだった事を知る(ふざけるな)
8月 やはり夏はいい。本当に。大好き。夏。
髪の毛をバッサリと切ったら全盛期の上戸彩さん瓜二つの髪型になる。めっちゃくちゃ可愛い髪型に包まれた中央にはめちゃくちゃくたびれたオジサンの顔が収まっている。
9月 長い間ウチのコーヒーが深煎りで大好きだと通い続けてくれている常連様に、本当は途中から深煎りが苦手になっていたのだけれど、あなたのニコニコとしたお顔を見ていたら切り出せなかったのだ、と告白される。
毎度お土産に購入してくださっていた珈琲豆も渋々だったのかと思ったら悲しくなった。
そんな日にはこれだ。
コーヒーのBOSS(500ml)を一気飲みする。なにしてんの俺
10月 なんもすることねぇ。そうだ。山登ろう!と突然山登りに出掛ける。
"あーしにまかせてください"
誰よりも自信満々であった後輩のシステムジャックことシステムがまさかの途中リタイア。その後彼に対する疑心が今でもつきまとう。
11月 30代も後半、健康面の事も考えて、ファスティングならぬ断食でもしよう!よし!来週から3日間ね!なんて友人と天下一品ラーメンを啜りながら語り合う。そして翌週びっくりドンキーで大フィーバーする。 無理だわ、断食。
12月 いま。
今年1年間
一体なにをしてたんだろう俺。
なにはともあれ、楽しかったかも
さてさて、2024年が終わろうとしています。
大したおもてなしもご用意出来ない僕のお店にたくさんの人達が遊びに来てくれました。
これにはやはり、感謝しかありません。
皆様と接する時間はとても楽しく、健やかな時間となりました。
至らぬ事ばかりではありますが、来年からも何卒、我がRoute99 宜しくお願いいたします。
皆様にとって来年も、とても楽しく健やかなお時間でありますように。2024年 本当にありがとうございました。
それではまた来年。
さよーなら
Route99
髙橋 幸大
12月31日。2024年、最終日でございます。
毎度の事ですが1年間。なぜこんなにも早く感じるのでしょうか。あっ と言う間の1年間でした。
今年のはじまり。1月はタイにお邪魔しました。
そこで言葉の壁にぶつかり何をオーダーしてもカオソーイ(タイのラーメンみたいなヤツ)が来ると言うトラブルに見回れました。
ちなみに以前、このブログでも紹介したモラトリアムウルフ君は夜な夜な腹痛に悩まされると言うトラブルに見回れておりました
(なんで俺が...ちっくしょうがぁ!!は..?ここは地獄か?? と、僕が寝ているベット脇のトイレから彼の声が夜な夜な漏れ聞こえてくる夜。それは僕にとっても地獄でした)
2月 僕の誕生月でもありました。
ありがたいことに だーれも 気がついておりませんでした。 いやまあ、そりゃそーだ。
3月 久しぶりに金縛りにあいました。その日から4日ほど連続で金縛りが続きました。なぜかその期間中疎遠になっていた友人からの着信が連日続いておりました。犯人はきっとあいつだろう。
4月 キラキラした目をもった55歳の伯父様にこれからミュージシャンになる夢を叶えると言う壮大なお話しを聞かされました。
全楽器未経験、作詞作曲経験も皆無だが信じる力があれば必ず叶うよね?
と言われ "たぶん無理です" と言い放ってしまう。
もうちょっと優しく対応すればよかった。
5月 くりまると花見会場を散歩しているとたくさんの酔客の方達が "かわいい~" とすり寄ってくる。
序盤は "アハハ、ありがとうございます" と対応していたが中盤から "噛みますよ?" と二重人格の様な対応に変化してしまう。その後 "くりまる君ー" と、何度かお店に来てくださっている方に遭遇し
"アハハ。どうぞどうぞ~" と対応が二転三転しサイコパスの様な男になる。
6月 "タナダ レン" と言う男に間違われる
7月 "タナダ レン" がベトナムの迷惑系youtuberだった事を知る(ふざけるな)
8月 やはり夏はいい。本当に。大好き。夏。
髪の毛をバッサリと切ったら全盛期の上戸彩さん瓜二つの髪型になる。めっちゃくちゃ可愛い髪型に包まれた中央にはめちゃくちゃくたびれたオジサンの顔が収まっている。
9月 長い間ウチのコーヒーが深煎りで大好きだと通い続けてくれている常連様に、本当は途中から深煎りが苦手になっていたのだけれど、あなたのニコニコとしたお顔を見ていたら切り出せなかったのだ、と告白される。
毎度お土産に購入してくださっていた珈琲豆も渋々だったのかと思ったら悲しくなった。
そんな日にはこれだ。
コーヒーのBOSS(500ml)を一気飲みする。なにしてんの俺
10月 なんもすることねぇ。そうだ。山登ろう!と突然山登りに出掛ける。
"あーしにまかせてください"
誰よりも自信満々であった後輩のシステムジャックことシステムがまさかの途中リタイア。その後彼に対する疑心が今でもつきまとう。
11月 30代も後半、健康面の事も考えて、ファスティングならぬ断食でもしよう!よし!来週から3日間ね!なんて友人と天下一品ラーメンを啜りながら語り合う。そして翌週びっくりドンキーで大フィーバーする。 無理だわ、断食。
12月 いま。
今年1年間
一体なにをしてたんだろう俺。
なにはともあれ、楽しかったかも
さてさて、2024年が終わろうとしています。
大したおもてなしもご用意出来ない僕のお店にたくさんの人達が遊びに来てくれました。
これにはやはり、感謝しかありません。
皆様と接する時間はとても楽しく、健やかな時間となりました。
至らぬ事ばかりではありますが、来年からも何卒、我がRoute99 宜しくお願いいたします。
皆様にとって来年も、とても楽しく健やかなお時間でありますように。2024年 本当にありがとうございました。
それではまた来年。
さよーなら
Route99
髙橋 幸大
2024年11月30日土曜日
But, we are the not minimalist
こんにちは。
11月も下旬、あっと言う間に今年も残すところあと1ヶ月程となりました。
皆様、やり残した事がないように、最後の月、12月に向かうとしましょう。
今年一年間で得た思い出は来年まで持っていき、不要なモノは捨て去って、身も心も軽やかに来年に辿り着きたい。
そんな気持ちで今、現在を過ごしております。
...............................................
ふと僕は、たくさんの"モノ"に囲まれ生活している事に気がつきます。
青春時代、初すぎる僕を陰で支え続けてくれたギター。
友人があまりにも少ない僕の事をいつだって受け入れてくれた数々の書物。
読書に飽きた頃憂鬱を少し和らげてくれる大型のバイク。
なんとなく集めたスニーカー。
なんとなく集めたTシャツ
なんとなく集めたその他たくさんの物達...。
これは全て必要な物なのだろうか?
年末、この時期をきっかけに不要なものを捨て、必要な物だけに囲まれ生活する。それを実行するチャンスなのではないだろうか。
思い立つと衝動的に動いてしまう性分の僕は、そそくさと必要な物と不要だと思われるものを仕分けしはじめた...
バタバタとあっと言う間に山積みになる衣類等を段ボールにまとめていると、ある一人の友人との事を思い出す..。
あれは、いつだったろうか。5.6年前の今頃だっただろうか...。
..............................................................................
よう!最近どうしてる?よかったら家に遊びに来いよ!
小学校からの同級生である彼の名はM、12月の半ば頃
、早々に降り始めた雪が道路を濡らし凍てついている。そんなある日、彼は現れた。
彼の実家は裕福で、小学生の頃はゲームや漫画等、憧れのアイテムを多数所有していた為、何も持っていない弱者の一人である僕は、よく彼の家に遊びにいったものである。
彼の家は当時から"モノで溢れていた"
所謂 富裕層 の一人である。
そんな彼が今、こうして僕の店に参上し、そして家に遊びに来いと言う。
なんとなくの興味から、閉店後お邪魔することになった。
大人になった彼は、少しだけ高めの背丈にスラッと伸びた手足。薄いブルーのYシャツに濃紺のスラックスにローファー。雪がちらついていると言う事実を無視するかの様にアウター等は着用していない。
そんな良く言えば"シンプル"悪く言えば"簡素"で面白味のない。だが上着は着ない。
そんな少し奇妙な出で立ちで現れたのだった。
だがその彼の長い手足がシンプルな衣類に収納されたその様は、なかなかに格好の良いものになっていた。
彼は今でも実家住まいらしく僕はそこに案内された。
M. 久しぶりだろー?よく来てたよな、俺んち?どうぞ、部屋は変わらず二階だぜ。
お邪魔します。
彼の後を追い、2階の部屋へと向かう。
M. どーぞ。
彼が部屋の扉を開けると予想もしていない光景が視野を覆った。
およそ10畳程の部屋には 真っ白な壁紙がありシンプルな薄いブルーのカーテン。部屋の中央には小さなローテーブルがぽつねんと置いてある。
以上
そう。 彼の部屋もまた "シンプル" だった。
M. 驚いたか? 実はさ、俺 あれなんだよ
んと、あー まあ、
砕けた愛嬌のある笑顔からキリっとしたスマートな表情に切り替えた彼は
"ミニマリスト" なんだ
そう言った。
幼い頃の彼の部屋はきっちりと整頓はされているがたくさんのおもちゃやゲーム、漫画本等々バラエティ豊かなたくさんの"モノ"が所狭しと納められており今のこの部屋とは対照的な部屋であった、その過去の記憶によって僕がこの場所の情報を処理するのには少し時間がかかった。
どうやら彼は、やがて大人になる成長過程で"モノ"に囲まれている状態にアレルギーを感じる様になってしまったらしい。
片側の口角をクィッとあげ、片方の眉も同時に上げた表情(腹立つ顔だなおい)を作った彼は
M. どうだ?余計に物を増やすって言う事はそれを守らなければいけないって言うストレスも同時に増やすって事なんだぜ?
だから今の俺の部屋は まぁ こんな感じ?
彼の言っている事はまあ正しい事ではあるのだろう。
だがその喋り方は本当にやめてほしいなーと、そう思っていた。
あとついでにその表情本当にやめてほしいなーとも思っていた。
その後も如何に人は余計なモノを持っているのか、そして持ちたがるのか、如何にソレを処分するのが正しい事なのかを恍惚と語り続けていた。
その様はどこか、名もなきカルト団体のトップに洗脳された信者にも見える程だった。
当時の僕にとっては全く興味のない話ではあったのだが、彼の変わり果てた思想を語る様にはある種の力があり恐怖すら感じるほどの説得力もあった。
なんとなく納得し、手土産に買った菓子袋をローテーブルに置くと彼が
M. おいおいおい~!ダメなんだわ~!
ここにモノおいちゃ~!
え?でもテーブルじゃ..
M. いやいやいや~ 視覚的に変わるからぁ~
てかモノ増やしたくないんだわぁ~
いや、これお菓子だから食べると無くなるんじゃ。一緒に食べようかと思って買ってきたんだけど?
M. いやだからこの部屋ではNGなんだわ~
あ、でも食べないわけじゃないよモチロン!とりあえず外で食べよっか!ありがとなぁ~
そう言って寒空の下、彼の自宅前の道路の隅、外壁をテーブルに立食スタイルでお菓子を食べ始めるぼくら(ちなみにバウムクーヘンだ、なにしてんだこれ)
その後もやっぱシンプルっしょ~
ミニマリズムっしょ~
と語り続けていたカルト教団幹部にしか見えなくなってきた彼の話しに辟易してきた僕は、再度彼の家に戻ることはなく帰路についたのであった。
その後、彼には会っていない...
..........................................................................
と、ふと彼の事を思い出した僕は、仕分け作業をしていた手を一旦止めてMに会いにいこうかと思い立った。
彼の話を半ば軽蔑して聞いていた当時の僕はもういない。今なら彼の話に同意し共感しながら有意義な時間を過ごせるのではないだろうか。そう思ったからだ。
彼に連絡すると早々に返信があった。
M. おう久しぶりぃ~!どうぞー!おいでおいで!
返信を確認しその後彼の家に到着した。
チャイムを鳴らすと早々にMが笑顔で僕を迎え入れる。
M. おー待ってたぞー!どうした?珍しいなー!まあ入れよぉ!
お邪魔します。
彼の部屋は2階。
彼の部屋には"モノ"がない。あるのは小さなローテーブルのみ。そしてそこにはお土産等も持ち込んではいけない。
なぜなら彼は "真のミニマリスト" であるから。
ガチャ
部屋の扉を開けると 想像していない世界がそこには広がっていた。
たくさんのゲームや本、たくさんの衣類、でかいテーブルにチェア、その目の前にはTV。
部屋の隅にはムダにでかいソファすら置いてある。
ついでにネコと大きめのリク亀もいるわなんだよココ。
え、あれ?Mって ミニマリストとか言ってなかったっけ?実は俺も物が多すぎるなーと思い立ってさ、参考にしようかなーなんて、それで今日お邪魔したんだけど。
Mは 例の表情で(片方の口角を上げ片方の眉を同時に上げた様)答えた
あ~ やめたわ
僕は帰宅後、ダンボールに入った衣類をまたクローゼットに戻した。
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モノが捨てられない。
それで困っている方、たくさんいらっしゃるでしょう。が、もしかするとそれは捨てなくてもいいモノなのかもしれません。
そんな思いに至った年末の今。
結局 "なにが正しいのか"
そんなものはどこにもなく 自分の中にのみ存在しているのかもしれません。
と、何を書いてるのかもはやわからなくなってきましたのでこの辺で。
ラスト1ヶ月。大掃除やらなんやらの手を一旦止めたくなった時、是非是非コーヒーでも飲みにお立ち寄りください。
それでは、さよーなら。
11月も下旬、あっと言う間に今年も残すところあと1ヶ月程となりました。
皆様、やり残した事がないように、最後の月、12月に向かうとしましょう。
今年一年間で得た思い出は来年まで持っていき、不要なモノは捨て去って、身も心も軽やかに来年に辿り着きたい。
そんな気持ちで今、現在を過ごしております。
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ふと僕は、たくさんの"モノ"に囲まれ生活している事に気がつきます。
青春時代、初すぎる僕を陰で支え続けてくれたギター。
友人があまりにも少ない僕の事をいつだって受け入れてくれた数々の書物。
読書に飽きた頃憂鬱を少し和らげてくれる大型のバイク。
なんとなく集めたスニーカー。
なんとなく集めたTシャツ
なんとなく集めたその他たくさんの物達...。
これは全て必要な物なのだろうか?
年末、この時期をきっかけに不要なものを捨て、必要な物だけに囲まれ生活する。それを実行するチャンスなのではないだろうか。
思い立つと衝動的に動いてしまう性分の僕は、そそくさと必要な物と不要だと思われるものを仕分けしはじめた...
バタバタとあっと言う間に山積みになる衣類等を段ボールにまとめていると、ある一人の友人との事を思い出す..。
あれは、いつだったろうか。5.6年前の今頃だっただろうか...。
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よう!最近どうしてる?よかったら家に遊びに来いよ!
小学校からの同級生である彼の名はM、12月の半ば頃
、早々に降り始めた雪が道路を濡らし凍てついている。そんなある日、彼は現れた。
彼の実家は裕福で、小学生の頃はゲームや漫画等、憧れのアイテムを多数所有していた為、何も持っていない弱者の一人である僕は、よく彼の家に遊びにいったものである。
彼の家は当時から"モノで溢れていた"
所謂 富裕層 の一人である。
そんな彼が今、こうして僕の店に参上し、そして家に遊びに来いと言う。
なんとなくの興味から、閉店後お邪魔することになった。
大人になった彼は、少しだけ高めの背丈にスラッと伸びた手足。薄いブルーのYシャツに濃紺のスラックスにローファー。雪がちらついていると言う事実を無視するかの様にアウター等は着用していない。
そんな良く言えば"シンプル"悪く言えば"簡素"で面白味のない。だが上着は着ない。
そんな少し奇妙な出で立ちで現れたのだった。
だがその彼の長い手足がシンプルな衣類に収納されたその様は、なかなかに格好の良いものになっていた。
彼は今でも実家住まいらしく僕はそこに案内された。
M. 久しぶりだろー?よく来てたよな、俺んち?どうぞ、部屋は変わらず二階だぜ。
お邪魔します。
彼の後を追い、2階の部屋へと向かう。
M. どーぞ。
彼が部屋の扉を開けると予想もしていない光景が視野を覆った。
およそ10畳程の部屋には 真っ白な壁紙がありシンプルな薄いブルーのカーテン。部屋の中央には小さなローテーブルがぽつねんと置いてある。
以上
そう。 彼の部屋もまた "シンプル" だった。
M. 驚いたか? 実はさ、俺 あれなんだよ
んと、あー まあ、
砕けた愛嬌のある笑顔からキリっとしたスマートな表情に切り替えた彼は
"ミニマリスト" なんだ
そう言った。
幼い頃の彼の部屋はきっちりと整頓はされているがたくさんのおもちゃやゲーム、漫画本等々バラエティ豊かなたくさんの"モノ"が所狭しと納められており今のこの部屋とは対照的な部屋であった、その過去の記憶によって僕がこの場所の情報を処理するのには少し時間がかかった。
どうやら彼は、やがて大人になる成長過程で"モノ"に囲まれている状態にアレルギーを感じる様になってしまったらしい。
片側の口角をクィッとあげ、片方の眉も同時に上げた表情(腹立つ顔だなおい)を作った彼は
M. どうだ?余計に物を増やすって言う事はそれを守らなければいけないって言うストレスも同時に増やすって事なんだぜ?
だから今の俺の部屋は まぁ こんな感じ?
彼の言っている事はまあ正しい事ではあるのだろう。
だがその喋り方は本当にやめてほしいなーと、そう思っていた。
あとついでにその表情本当にやめてほしいなーとも思っていた。
その後も如何に人は余計なモノを持っているのか、そして持ちたがるのか、如何にソレを処分するのが正しい事なのかを恍惚と語り続けていた。
その様はどこか、名もなきカルト団体のトップに洗脳された信者にも見える程だった。
当時の僕にとっては全く興味のない話ではあったのだが、彼の変わり果てた思想を語る様にはある種の力があり恐怖すら感じるほどの説得力もあった。
なんとなく納得し、手土産に買った菓子袋をローテーブルに置くと彼が
M. おいおいおい~!ダメなんだわ~!
ここにモノおいちゃ~!
え?でもテーブルじゃ..
M. いやいやいや~ 視覚的に変わるからぁ~
てかモノ増やしたくないんだわぁ~
いや、これお菓子だから食べると無くなるんじゃ。一緒に食べようかと思って買ってきたんだけど?
M. いやだからこの部屋ではNGなんだわ~
あ、でも食べないわけじゃないよモチロン!とりあえず外で食べよっか!ありがとなぁ~
そう言って寒空の下、彼の自宅前の道路の隅、外壁をテーブルに立食スタイルでお菓子を食べ始めるぼくら(ちなみにバウムクーヘンだ、なにしてんだこれ)
その後もやっぱシンプルっしょ~
ミニマリズムっしょ~
と語り続けていたカルト教団幹部にしか見えなくなってきた彼の話しに辟易してきた僕は、再度彼の家に戻ることはなく帰路についたのであった。
その後、彼には会っていない...
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と、ふと彼の事を思い出した僕は、仕分け作業をしていた手を一旦止めてMに会いにいこうかと思い立った。
彼の話を半ば軽蔑して聞いていた当時の僕はもういない。今なら彼の話に同意し共感しながら有意義な時間を過ごせるのではないだろうか。そう思ったからだ。
彼に連絡すると早々に返信があった。
M. おう久しぶりぃ~!どうぞー!おいでおいで!
返信を確認しその後彼の家に到着した。
チャイムを鳴らすと早々にMが笑顔で僕を迎え入れる。
M. おー待ってたぞー!どうした?珍しいなー!まあ入れよぉ!
お邪魔します。
彼の部屋は2階。
彼の部屋には"モノ"がない。あるのは小さなローテーブルのみ。そしてそこにはお土産等も持ち込んではいけない。
なぜなら彼は "真のミニマリスト" であるから。
ガチャ
部屋の扉を開けると 想像していない世界がそこには広がっていた。
たくさんのゲームや本、たくさんの衣類、でかいテーブルにチェア、その目の前にはTV。
部屋の隅にはムダにでかいソファすら置いてある。
ついでにネコと大きめのリク亀もいるわなんだよココ。
え、あれ?Mって ミニマリストとか言ってなかったっけ?実は俺も物が多すぎるなーと思い立ってさ、参考にしようかなーなんて、それで今日お邪魔したんだけど。
Mは 例の表情で(片方の口角を上げ片方の眉を同時に上げた様)答えた
あ~ やめたわ
僕は帰宅後、ダンボールに入った衣類をまたクローゼットに戻した。
.................................................................
モノが捨てられない。
それで困っている方、たくさんいらっしゃるでしょう。が、もしかするとそれは捨てなくてもいいモノなのかもしれません。
そんな思いに至った年末の今。
結局 "なにが正しいのか"
そんなものはどこにもなく 自分の中にのみ存在しているのかもしれません。
と、何を書いてるのかもはやわからなくなってきましたのでこの辺で。
ラスト1ヶ月。大掃除やらなんやらの手を一旦止めたくなった時、是非是非コーヒーでも飲みにお立ち寄りください。
それでは、さよーなら。
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