6月です、早くも30℃程の気候が連日続いておりますが皆様いかがお過ごしでしょうか。
僕が小さな頃は30℃程に到達した日には皆動揺
今日は暑い...。珍しく仙台も30℃だってさ。
夏の最盛期に両親を含めたその他大勢の人達が交わすそんな会話を、ぼんやりと朧気に記憶しています。
そんな仙台も、近年では30℃なんて朝めし前。
これからどんどん燃え上がらせてもらいます。
6月中からそんなハイなテンションの様。
今年もかなりの猛暑になりそうで、対策は万全に、有意義な夏にしたいものです。
先日、夏よりも先に、心燃え上がらせた(しまった)出来事がありました。
それはなにか。
その出来事 それは
"UFOキャッチャー" これです。
その日僕は、何気なく立ち寄った大きな書店で書物を物色していた。
すると、
こうた?よう、久しぶり、元気?偶然だねー。
同級生に遭遇。
幼なじみでもある彼は、久しぶりだと言う事実を微塵も感じさせない見事なファーストコンタクトを僕に仕掛ける。
幼い頃の面影が皆無なスマートな彼は、今や自分で会社をお越し社長に君臨している。所謂"やり手"の男に成長していた。
彼の屈託のない無邪気な笑顔と優しい声色は、休日に知人に遭遇しようものなら、相手が誰であろうが逃げ出す逃走癖のある僕の心を見事弛緩させ、足を止める事に成功した。
久しぶりだね。元気だよ。本当に偶然だね。
その後軽い世間話を交わしていると彼からこんな提案が。
実は子供が欲しがっているぬいぐるみがあるんだけどね、すぐそこのゲームセンターなんだけどなかなか取ってあげれなくてねー。あれどうやって取るんだろう?こうた。得意?良かったらちょっと行ってみない?
自分の娘達もぬいぐるみには目が無い事もあり僕は二つ返事でその提案に賛成した。
いいね。うちの娘達も例に漏れずぬいぐるみが大好きでね。せっかくだしちょっと行ってみようか。
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思い返せばあの時、
やめておけばよかったのだ。
その後あんなことになるなんて、僕たちはまだ知らなかったんだ。
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数キロ離れた場所に、そのゲームセンターはあった。
到着するや否や僕たちは目的のUFOキャッチャーへと向かう。
あった。これこれ。さてまずはやってみようかな。
友人はすぐさまコインを入れ、僕には名前も不明であった不気味な特大のウサギ(おパンちゅウサギと言うらしい。ファンの方、ごめん)へとアームを動かした。
アームはウサギの胴体をガッチリと掴むが、浮かぶと同時にこちらを嘲笑うかの様にふわりと落下する。
あー、やっぱりだめだ。もっかい!
友人が再度トライしているのを横目に、その迎え側にあるUFOキャッチャーマシーンをぼんやりと眺める僕。
そのマシーンは、中央に二本伸びた突っ張り棒の様な支柱に商品が置かれている(どうやらその柱の隙間からそれを落とすらしい)独特のスタイルのUFOキャッチャーだった。
気がつくと僕は、そこに置かれた"ソレ"から目が離せなくなってしまっていた。
さて、"ソレ"とはなんなのか。
今はなかなか見かける事が出来なくなってしまったあの伝説のスナック菓子。明治"カール"だったのだ。
旧友に再会したかの様な、そんな照れくささもある軽い高揚感と同時に、もう2度と会えないはずの"何か"を懐かしむ様なノスタルジックな哀愁感。そんな複雑でいて刹那的な感情に包まれた僕は、気がつくと100円玉をコイン投入口に流し込んでいた。
ウィーン。無機質でいて無感情なアームがふわふわとカールの上空へと到着し、そこからゆっくりとカールへと下降。カールの袋をガッチリと掴んだアームは上空へと戻る。が、その途中でカールを放してしまう。そこから柱の隙間へ落ちればカールゲットとなるのだがやはりそんなに簡単に行かないのがUFOキャッチャーである、カールはその支柱二本にしっかりと支えられる形で少しずれた位置で再度落ち着く。
まあそうだよな。一度で取れる事はないさ。
背後では不気味なピンクうさぎ(ファンの方ごめん)を顎に軽く手を置く知的なポーズを決め、学者さながらの表情でポジションを四方八方の角度から調べる彼の姿。
まだ彼も闘っている。よしもう一度だ。
両替機で両替も済ませ、いざ再チャレンジ。
ウィーン。無機質でいて無感情なアームが動く。
...
一度目と全く同じ流れで終了。
背後を見る
ディーン・フジオカの様な知的な表情は崩さないが、未だウサギを捕らえるのに頭を抱え、四方八方からベストポジションを探る彼がいる
再度チャレンジ
ウィーン。無機質でいて無感情なアームが動く。
はいやっぱまた同じ。
そして背後を見る
はいやっぱり
ウサギにがっつくCEO、ディーンが頭を抱えている。
再度チャレンジ
ウィーン............
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約1時間後...
カタン
無機質なアームから離されたカールが、遂に出口へと落下した。
僕は歓喜していた。と、同時に、激しい後悔の念と微量の悪寒に苛まれた。
なぜか
この時僕は
"2万円弱使っていたのだ"
カールに。
そして
彼は
ディーンは.....(ちなみに全く似ていません)
やっぱまだ背後にいた。
それは
未だにあの気味の悪いウサギに依存していると言う事実を意味していた。
幼ない頃には野球やサッカー、山、川遊び。
"チルドレン" そう呼ばれる時期の全ての者達が興味を持つであろう娯楽を一通り楽しんでいた僕らは、その集合体の中であまり目立った能力を発揮出来なかった種族だった。(特に僕は惨憺たる様でした)
それゆえに当時の僕らは えへ、えへ、と自信無き者がもつ独特の笑い方とヒキツッタ笑顔を露出させる、そんな表情の持ち主でもあった。
だが、そんな彼も今では大人になり、会社をも経営するまでに成長。そして自信に満ちた成功者の"表情"を勝ち取っていた。
だが、今の彼の表情は
チルドレンであった頃の "彼" にタイムリープしていた。
なんて事だ
UFOキャッチャー。それは時として大人になり、努力の末に成功を勝ち取った人間をも難なく幼少期の劣等時代へと戻す、そんな悪夢の様なマシーンだとでも言うのだろうか。
あーこうた取れたんだねー。やっべぇ俺。全然だめだわぁーとりあえずもうお金無いから水道水飲みに行くねぇーん えへ えへ。
...いやもはや発言もわけわからん。なんだこいつ。
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そしてその帰り...
僕は最後の悪夢を見た
(ちなみにディーンは3万使って取れませんでしたバカ)
帰りに寄ったイオン
カール 売ってた。
僕は何を思えばよかったのだろう
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6月も終盤、間もなく。夏がやってきます。心燃え上がらせて、いざ。
GOOD BYE.