こんにちは。
5月です。GWも終わりホッとしている今日この頃ですが皆様いかがお過ごしでしょうか。
今年は最大日数10連休の方もいらっしゃった様でそれはそれはとても有意義な日々を過ごされた方も多いのでは
連休中の皆様とお話ししていると、僕もやはりどこかに行かなくては。一日くらい、どこか遠くへ ..。
なんて、そんなプレッシャーからか気がつくと僕はバイクのキーに手をかけていました。
僕が乗っているバイクはとても古くてなかなかの気分屋さん。エンジンをかけるのにも一苦労する時もある。だがそれがいい。
キュルキュル、キュル、、、キュルルボン!
ブルン、ブルン、ブルルルルルル ようやくかかったエンジンからは地鳴りにも近い重低音が鳴り響く。
そこへ近所の爺さんが通りかかり僕に声をかける
今日はお店お休みかい?
そうです。岡野さん(仮名)もGWはどこかへ?
いやいや俺達くらいになると毎日がGWみたいなもんだからなぁ。わざわざどこに行くこともないのさ。そこのコンビニに行ったり来たりで終わりだなぁ。ハハハハハ。あんたはまず、楽しんできなさい。
ハハハ。そうですか。まあ、それ位が一番贅沢な過ごし方かもしれませんね。さて、行ってきます。
何が贅沢なものか。そんな過ごし方絶対にしてはならん。俺は行くんだ。どこか、遠くへ..。
少しの皮肉を混ぜた他愛ない挨拶を交わしいざ出発。
さてコイツとどこに行こう。
まあいい。行き先ならコイツに任せよう。走り出せば僕とバイクはシンクロしはじめ行き先は自ずと決まるのだ。
ブルルルルルルン!
風を切り裂きながらバイクは坂道を登りはじめる。
そう。これだ。この感触。そろそろ僕とバイクがシンクロし始める頃か。
ブル、、ル、ル、ル、る、る.........る................プスン。
え?
まだこの旅はスタートから数百メートルの進行のみ。
だが、なぜかエンジンが停止してしまった。
停止した位置は不幸中の幸いで前方にはコンビニの駐
車場が。
やれやれ、まあ仕方がない。ノロノロとバイクを押しながらコンビニの駐車場へと車体をいれる。
ガチャガチャとバイクをいじくり回しているところへ
お?どうした?
と誰かが声をかける。
先ほどの爺さん、岡野だ。そうか。こいつのGWの拠点はここのコンビニだったのか。いやなところを見られてしまった。まあいい。切り替えよう。
気を取り直し悲壮感等微塵も見せず爽やかに返答する。
いやー、しばらく乗ってなかったからかな?
まあよくある事なんですよ。ご心配なく!
おぉ~そうかぁ。大きなバイクだものなぁ。とにかく気をつけなさい。
少し笑っていた様に見えたのは気のせいか?
まあいい。気を取り直し修復に取り掛かる。
しばらくするとソフトクリームを美味しそうにレロレロと舐め回しながらまたも参上する爺さんが。
そうもちろん。
岡野だ。
どうだぁー?直ったかぁーん?レロレロ。
全く修復の見込みのないバイクと岡野のじっとりとした目線に耐えきれなくなった僕は一度退散を余儀なくされる。
いや、ちょっと難しいかも。まあでも幸いお店まですぐだし下り坂なのでどうにか戻ってみます。
おーーそうかぁ。気をつけてなぁぁぁん。レロレロレロォン。
気のせいなんかじゃない。
こいつ、心の奥底で笑っていやがる。
完全に俺のGWエンジョイ作戦を妬んでいやがるのだ。GWはじめ大型連休の度に挨拶時には必ず、今年もどこもいかずに終わりですよ。悲しいですねー。なんて、お決まりのあのセリフに妙にシンクロしていやがったのだ。本当は
"心からつまらぬ大型連休を過ごせぇええぇ"
と、呪詛にも似た思いを心の中の冷笑と共に作りあげていたに違いない。
ちくしょう。なんだあいつ。こんな状況下でソフトクリームを食いながらじとーっと見つめやがって。
いや、食うのはまあいい。だが小学校低学年くらいまでしか許されないはずのレロレロしながら食していくスタイルは本当にやめてくれ!!!
半ば被害妄想も相まって、もともとおちょこ程のサイズしかない僕の心の器はさらに縮小し、ピリピリとした狂乱の心のままになんとか店へと戻った。
ホームへと戻った僕の精神はほぼ落ち着きを取り戻し、冷静に修復の作業へと移る事に成功した。
しばらくいじくり回していると.........
キュルキュル、キュル、、、キュルルボン!
ブルン、ブルン、ブルルルルルル!!!!!
キター!!!!!!
またもようやくかかったエンジンからは地鳴りにも近い重低音が鳴り響く。
さてコイツとどこに行こう。
まあいい。行き先ならコイツに任せよう。走り出せば僕とバイクはシンクロしはじめ行き先は自ずと決まるのだ。
ブルルルルルルン!
風を切り裂きながらバイクは坂道を登りはじめる。
そう。これだ。この感触。そろそろ僕とバイクがシンクロし始める頃か。
ブル、、ル、ル、ル、る、る.........る................プスン。
いやまたかよ。なんなん本当に。まあいい。とりあえずそこのコンビニへ....
...
いるぅうう!!!!
岡野いるぅうう!!!!!!
どうしたぁあー?またかぁーん?レロレロレロレロォオン。
いや時巻軸的にソフトクリーム少なくとも2個か3個目ぇえええ!!!
妖怪みてえな甘党のじじぃいいぃいいぃい!!!
悔しさのあまり岡野を無視しそのまま店へと戻る僕。
その後、バイクが復活することはなかった。
結局僕の旅は、店からコンビニへの2往復で終わったのである。皮肉にもその過ごし方は、にっくき爺。岡野の過ごし方とほぼ同じだった。
それ以来、僕の瞼の裏にはレロレロとソフトクリームを舐め回す老人の姿がくっきりと焼きつき、決して離れないでいる
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さて、毎度ですが何を書いているんでしょうか僕は。
暖かい日々が続いております。
皆様、心地が良い、楽しい日々をお過ごしくださいね。
ではさよなら