2024年4月23日火曜日

なんでこうなるのだろう

皆様こんにちは。
寒い季節も終わり、暖かく気持ちの良い日々がやってまいりました。 春到来です。

先日の事、
唐突にひとりきりでの映画鑑賞。これをどうしても実行したい。いや、せねばならない。
そんな使命感にも似た、脅迫的な衝動に駆られた僕は"ソレ"を実行に移しました。

映画館に到着した僕は、まずは映画館と言えばこれ。炭酸飲料(もちろんサイズはL)を購入します。
目的の作品の開始時間までには10分近くの猶予があったけど、久しぶりの映画観賞に心踊っていた僕は開場したシアター内へと早々に吸い込まれていきました。

指定した席を見つけ着席。
まだ上映までには少しの余裕があるからだろうか、会場にはただ一人僕だけが存在し、大きなシアタールームの中には僕だけが鎮座する形。
なんとも形容しがたい高揚感に包まれはじめました。

上映まであと2.3分といったところで開場へ一人の男性が入って来ました。
それはそれはとても奇妙な男だったのだが、
何が奇妙だったのか。



まず第一にその男、場内に駆け足で入ってきたのである。それも、小走りでもないなかなかの力強い足取り、つまり、ほぼ全力疾走に近い形である。
大きなシアタールームと言えどシアタールームはシアタールームでしかありません(皆様がよく行く映画館のサイズを思い浮かべてください)全力疾走で入ってきた男の目の前にはあっ、と言う間にスクリーン付近の壁が迫ります。

危ない、さてどうするのだろうか?と、眺めているとその男、ガン!っとその壁を蹴り、身体をふわりと浮遊させ僕が座るシート方向へと全身を器用に反転させ着地したのだ。
一瞬キョロキョロと辺りを見回すとまたも逆サイドの壁へと走り込み同じ技?(と呼んでいいのかは不明)を繰り出します。
その後も忙しなくシートの狭い通路をタカタカタカ、と駆け抜けたりしながらようやく自分のシートの位置を見つけたのか、そこへ一列前のシートから本シートへとひょいっとジャンプし着席した。

え、なにをやっているのだこの男。もはやわけがわからなくなる僕。

運悪く(と言っていいだろう)男のシートは僕のシート1列前の左斜め前方であった。

先ほどまで高揚していた心地の良い気持ちは一瞬の夢から覚め、今はただただこの奇妙奇天烈な男の後方に座している現実に混乱ばかりが生じ、不快な気持ちだけで済めばまだ救いはあったのだが、もはや男の動きには笑い飛ばすにはあまりにも重すぎる多くの奇怪な成分が含まれており、"恐怖"にも似た感情までもが僕の中に渦巻きはじめました。

とりあえず映画だ。映画に集中しよう。
ソワソワと落ち着かなくなってしまった虚弱な心を落ち着かせようとしている僕に、遂に"その瞬間"が訪れた。

その男、斜め前方よりくるりとこちらを振り返り僕に向かってニコッと微笑みかける。

いやこれもうダメなやつ

会場内には混乱と恐怖によりもはや意志薄弱になった情けない男(オレ)
それを楽しむかのように微笑みをたやさない奇行のカリスマ(奇行者のカレ)
この二人ぼっち。
男が口を開く。もはや万事休す。 
サイコパスによる惨劇を覚悟した僕の耳に彼の言葉が空気を切り裂き届く。



"パルクールっす!気持ちいいっすよ!"





は?





その後、映画の内容が一ミリも入ってこなかったのは言うまでもあるまい。
※ついでに言うと、ポップコーンの咀嚼音をあそこまで遠慮なしに奏でる人間を拝見したのも、はじめての体験でありましたふざけるなアホ。



春です。すこーしだけ人を浮かれさせすぎてしまう短くも心地の良い日々。
皆様、節度を守り楽しく過ごしましょう。



さて、仕込もっと。
Bye.