2022年7月28日木曜日

夏の日の階段

こんにちは。激動の夏真っ只中ですが、皆様いかがお過ごしか。 
今年は大気の状態も不安定で"梅雨明け"宣言をした辺りから"梅雨入り"でもしたかの様な、、まるで狐につままれた。そんなトンチの効いた"夏"でございますね。 
けれどもどんな形であれ夏は夏でございます。
無理矢理にでも夏。楽しんでまいりましょう。



さて、夏といえば才色兼備なイベントがところ狭しと溢れかえりとにもかくにもエネルギーに満ち溢れた目が痛むほど眩しい季節であります。
そんな中、わたくしに訪れたある不思議な1日

それは、夏と言えばスイカだ!なんて生協にひとっぱしりした先日の出来事である。

今年の夏。わたくしは何をしていたのか。
答えはそう。

"なにもしていなかった" のである。

みんなが夏だ!夏だ!夏だ!とスペクタクルな日々を謳歌している"サマ"にひとしきり焦りを感じたわたくしは、親指を噛み続けるモラトリアムな日々にララバイする為、ある行動にでた。 それが 
"生協にかけこみスイカを買う" 
コレだったのである。
そしてこの "スイカを食べて夏を謳歌する" このチープで安易な行動がわたくしを不思議な世界へと誘っていったのだ。



店の営業を終えた僕は上記で記述している通り生協へと走った。
そしてなかなかに大ぶりでおいしそうな尾花沢スイカを購入しルンルンと店に戻ったのだ。
すると、店内中央に配置されてあるソファ席に横になりくつろぐ者がいるではないか。
ドキッとした僕はそろりそろりとソファに近づきその"者"を確認すると、 なんのこっちゃない、それは我が親父だったのである。 
おいおいなんでこんなとこで寝転んでるんだ? 

そう問いかけると

父 "んー、あぁちょっと疲れてな ァガガ"
との返答。

わたくし "そうか。スイカを買ってきたんだ。食うかい?"

父 "おう。いいねぇえ!俺はさ、メロンより、スイカなんだよぉ!ァガガン!"

返答のテンション&ノイズ?に疑問を感じたが、わかったよと曖昧に返事をし、スイカを切り始める。

わたくし "結構食えるかい?食えるなら大きめにカットするけど"

父 "そうだな!メロンならダメさな!だけどスイカなら大きめに越したことないよなぁ!うん!あ!モモでもちょっと変だよなぁああガガン、グウン!"

返答のテンションや意味がよくわからん言動&ヴィンテージの音響の様なノイズ?がやはり気になったがまあいいや、と、でかめにカットしたスイカを皿に盛り付け親父に持っていくオレ。

そして親父を目の前にしたわたくしは言葉を失ったのである。

ソファに横になっている(正確には体を斜めに倒しだらしなく座している様な格好)親父はなんと。

"寝ていた" のである。

唖然としながら目の前で佇む僕に聞こえてくる不思議なノイズ。

"ンガカガガン、ガァン!ガァン。オヒョヒョー、ガァンスケ!ガァンスケ!"

このノイズ。
ヴィンテージアンプと化した目の前の親父から発せられていた独特のイビキだったのだ。
おかしいのはそれだけじゃない。先ほどまでしていた会話だ。
多少噛み合わない箇所もあるにはあったが実にスムーズではなかったか? 不思議に思った僕はおそるおそる再度親父に話しかけてみる事にした。

わたくし "スイカ、置いとくよ?"

親父 "ンンアア!わかったぁ!ガガン!"



僕の一抹の不安は確信へと変わった。
どうやら親父は、寝言を介して現世にいるこちら側のわたくしと器用に会話をこなしているのである。
どうやら彼は、こちらの世界とあちらの世界を平行線上にして繋ぐ事のできるスペシャルな存在だったのだ(もはや自分で何を書いているのかわからんゴメン)



まさか? と思い再度小さめにカットしたスイカをだらりと弛緩しきっている右手におそるおそると掴ませてみるオレ。



しばらくすると





"シャクリ シャクリ"



...そんなサウンドがソファに横たわるヴィンテージアンプから聴こえてきたのであった。





.....
オレのスペクタクルな夏が今、始まろうとしている。



いやなに言ってんだオレ。
皆様、楽しい夏をお過ごしください。

Bye.