2026年4月28日火曜日

I'm sure I'll remember it

Uploaded Image



春。ですね。

心地の良い日々が続いております。
皆様いかがお過ごしでしょうか。
 
春と言えば出会い、そして別れ。
そんな刹那が連続する季節。
 
早いものでわたくしの長女も今年から高校生。
“アルバイトがしたい”
最近、そんなニュアンスの言動が目立ってきました。
 
そのむかし、当然私にもそんな時代がありました。
そう。なにを隠そう私も元“10代”なのです。
あの頃、アルバイトの面接を受ける度に書いていた “履歴書” あの書類の後半にある謎の項目 “自己PR” の欄を必ずこんな文言で埋めておりました。
 
“ヤル気だけは誰にも負けません”
 
そして私は、大半のアルバイト先を誰よりも早くドロップアウトしておりました。
 
つまり、
 
“ヤル気だけは誰にでも負けていたのである”
 
.....
 
よし、高橋くん。明日から来られるかな?
 
はい勿論!やる気だけは誰にも負けません!
 
失踪...
 
よし、高橋くん。いつから来れる?
 
はいいつからでも!やる気だけは誰にも!
 
はいまた失踪...
 
よし、高橋くん!今日、今からでも働いていくか?
 
はい勿論ンン!!なぜならやる気だけは.....
 
はいやっぱ失踪ぅ!...
 
あの頃、一体私はなにを根拠に
“ヤル気だけは誰にも負けません”
あんな事を謳っていたのだろう。
 
“ヤル気” 
 
この抽象的な単語をあんなにも易々と濫用していた人間を私以外に私は知らない。
 
新薬の治験モニターのアルバイトをした事があるのですが、その時に持参した履歴書にも同文言を記載して面接に挑んだこともあるし
(この場合、一体何に対するヤル気なのだろうか...)
 
予備校の講師のアルバイトにもなぜか履歴書を送りつけた記憶がある。
こればっかりはもはや行動原理全てが謎でありテロに近い行為であった。 
(なぜならば、わたくしはそもそも中卒であり“ヤル気”以前の問題であった。どちらかと言えば生徒側に立候補すべきだったのは周知の事実であっただろう)
 
と、そんなこんなであまりにも褒められた理由ではない理由ではあるが、“バカの一つ覚えヨロシク” 数だけは多くのアルバイトを経験する事になったのだ。
結果としてアルバイト先での出会い、そして別れ。その数についてだけは人一倍多くの経験値を獲得し、今に至るのである。
 
だが結論として、それにより私がなにを獲得したのか。答えは恐らく、ほぼ“皆無”である。
だがしかし、唯一獲得したモノがあるとするならば、やんわりとした、ふんわりとした儚げなわたあめの様な軽い記憶。それだけは頭の中をふわりふわりと不明瞭な思い出として泳ぎ続けているのである。
 
青春期によく耳にしていた、アルバイト先での確固たる友情や愛情、その他所謂 “絆” そんな言葉で括られている美しい代物は、私にとってはフィクションファンタジーに限りなく近く、とうとう巡り会う事は出来なかった。
 
しかし、そんなわたあめの様な危うい儚げな思い出達もそれはそれで悪くないのである。
それも引っ括め、“春” なのであると、、そんな事を思い出しながら今、今年も“春”を過ごしております。
皆様もたくさんの出会い、そして別れ、重く強固な思い出も、軽く儚い思い出も、なにもかも全て紡いでいきましょう。
 
 
それでは、楽しい春を。
 
さよーなら


。。。