8月。
夏の最盛期後半にあたる"お盆"
ビカビカと容赦なく照りつける太陽の下、ふとぼんやり 盆 "この頃" について考えてみる。
お盆。この頃にやるべき事。
それはやはり<お墓参り>ではないだろうか。
日本に生まれ育った人間は、お盆には地獄の釜の蓋が開き、先祖がこちらへと戻ると教えられたりしている。よってこの時期、皆こぞってぞろりぞろりとお墓へと出かけ、ご先祖さんにどうもどうもと挨拶を済ませる。
このひとつの行動がなんとなく毎年恒例の習慣として身体に浸透しているはずだ。
そこで、ふと思ったのだ。
実にシンプルな疑問だ。
なぜお盆に地獄の釜の蓋があくのだろう?
「広辞苑 第七版」によると、「正月と盆との十六日は閻魔にお参りする日で、鬼さえもこの日は罪人を呵責しないとの事。殺生の戒めに用い、またこの日を薮入りとして、住込みの雇人にも休養を与えた」とある。「薮入り」とは「奉公人が正月および盆の十六日前後に、主家から休暇をもらって親もとなどに帰ること」
を指す。
つまり、
"閻魔も休んでいるからその隙に地獄の釜が開く。そしてその隙をついた亡者達は今だ!戻ろう!と、こちら側へ帰還する。そして閻魔の仕事開始<お盆開け>前には、まずい!さあ戻ろう!と、地獄へと出戻りすると言う事らしい"
と、言うことはだ。
皆が知るあの閻魔の地獄での生活の"アレ"は全て仕事としての"コト"である。と、言うことだ。
そして彼は、24時間365日フル稼働(正確にはお盆休み以外)と言う途方もない暮らしの中にいるのである。
そんな彼の唯一の休暇が"お盆"であるわけだが、いやはや驚いたのは閻魔がそんな過酷な環境に身を置いていた事実、の方ではなく、彼が "休暇" を欲しがっていた。こちら側の事実についてではないだろうか。
僕にとっての"閻魔大王"の印象は
とにもかくにも"最強" の存在であり
"閻魔様~。ご飯が出来ましたよー"
メシ?いや、いらねーよ!そんな暇があるなら罪人の舌を抜く!!さあ罪人はどこだ!?
"閻魔様~。お布団のご用意が~......"
睡眠?いや、寝ねぇーっつーの!そんな暇があるなら舌を抜かせろ!さあ、罪人はどこぉぉー!??
"閻魔様~。時にはリフレッシュも必要では...。どこかにお出掛け等どうでしょうか~?"
あ?たまには遊びにだと!? いやいや!いかねーよ!そんな暇があるなら舌を抜かせろぉお!!
はい!罪人はどぉこでぇすかぁぁあ!!?
と...休む事なんて興味無し、とにもかくにも常時パワフルに罪人を探し続けている。そんな印象であったのだ。
そんな彼も、人間と同様、ふとした時、思ったのだ。
"あー。なんだか俺、疲れたな。"
と。
そう思ったらなんだか、閻魔大王も可愛らしく思えてくるものである。
......
8月の最盛期。寝不足でよく回らない頭を抱え、ふとぼんやりこんな事を考えていた。
暑い。暑い。暑い。
疲れた。疲れた。疲れた。
こんな声が日々、日常的な会話の中で多用されている昨今。
閻魔ですら休むのだから、皆様も"のんべんだらり"ぐうたらと、夏を楽しくゆるく過ごせていることを願っております。
さてさて8月も残り僅か、最後の最後まで夏を楽しみましょう。。。
では、 さよーなら